その結果、Windows 7は多くの場合、より迅速に起動でき、スリープの開始と解除も数秒で済むようになっている。消費者は、システムが以前よりはるかにすっきりしたことにも気付くだろう。最初にPCを起動したときにデスクトップにあるのはごみ箱だけ、というケースもある。
もう1つ大きな影響を与えたのは、近年のAppleの好調ぶり、特に同社がソフトウェアとハードウェアをリンクさせていることから得ているメリットだ。
「最高のエクスペリエンスを実現するには、ソフトウェアとハードウェアが非常に緊密に連携して動作する必要があるということを、PC(メーカー)とMicrosoftが認識したのだと思う」(Osako氏)
最もうまくいっているときには、別々の企業同士の協力というより、ハードウェア部門とソフトウェア部門の共同作業という感じがした、とMcKinney氏は語る。
それでも、MicrosoftとPCメーカーがそれぞれ、自社の方式の方が優れていると判断している例もある。例えば、Microsoftが新しいタスクバーを開発したにもかかわらず、Dellは、Vistaアプリケーションの起動を便利にするために自社で開発したドックを引き続き採用している。その結果、一部のPCには依然として複数のインターフェースが存在し、それぞれが同様のタスクを実行しようとしている。
Microsoftにもまだ改善の余地があるとPCメーカー各社は言う。Microsoftは、単に可能だからという理由で機能を追加する、ほとんど「時代遅れ」のエンジニアリング主導のアプローチから、顧客が本当に求めているものに重点を置くアプローチに向けて自己変革を図っている、とAcerのMorbello氏は述べた。
「このような変化は、同社が変質していることを示している」(Morbello氏)
これは、売り上げと利益の両面で大きくWindowsに依存しているMicrosoftにとって非常に重要な課題だ。ハイエンド領域では、Appleから終わることのない挑戦を受けている。Appleは今や、「Mac」に格段に多くのリソースを投資できるようになった。他方ローエンド領域では、Googleが「Google Chrome OS」の準備を進めている。同社は、大半のコンピューティングタスクの処理に必要なのは高速で効率的なブラウジングエクスペリエンスだけだと主張している。
Reller氏はと言えば、MicrosoftはWindows 7の後継バージョンを開発する際にも引き続きPCメーカーの意見を求めていく方針だと請け合った。
「これが新しいWindowsだ」(Reller氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
企業や自治体、教育機関で再び注目を集める
身近なメタバース活用を実現する
パナソニックのV2H蓄電システムで創る
エコなのに快適な未来の住宅環境
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
OMO戦略や小売DXの実現へ
顧客満足度を高めるデータ活用5つの打ち手