Q3、Q4では広告の表示について尋ねた。まずQ3では、何か目的をもって行動している時に広告が表示されたらどう思うかを尋ねた。その結果、71.4%のユーザーが迷惑だと思う(「迷惑だと思う」と「少し迷惑だと思う」の合計)と回答した。
そしてQ4では、その広告がもし自分にとって興味のあるものだったらどう思うかを尋ねた。結果は、Q3では71.4%のユーザーが迷惑であると回答していたにもかかわらず、Q4では39.8%にまで減少した。ユーザーにとっては、「どんな時に広告が表示されるか」よりも「どんな内容に広告が表示されるか」の方が重要なのかもしれない。
最後にQ5では、ネット広告の特徴の1つでもあるユーザーの行動データ取得による広告配信システムについて、「興味や関連のある広告を配信する為に、あなたの行動(ウェブサイトの閲覧履歴など)が記憶されているとしたらどう思いますか」と尋ねた。
その結果、70.8%のユーザーは「メリットのある広告の為とはいえ、個人の行動を記憶される事には抵抗がある」と回答した。「自分にとってメリットのある広告が得られるのであれば良いと思う」と回答したユーザーは22.0%で、6.6%のユーザーは「わからない」と回答した。
米国の調査会社、eMarketerが調査したデータによると、70.5%のユーザーは広告配信を目的として自分の行動データが記録されている可能性を意識しているが、その一方で個人情報につながるものでなければ行動データの記録は気にならないと回答したユーザーはわずか23.6%だったという。(データ元:「行動ターゲティング型広告とプライバシに関する調査_eMarketer」)
調査設計時には、個人の行動を収集されることに対する日本人の抵抗感は、米国に比べ高いのではないかという仮説を立てていた。調査条件の違いに留意する必要はある(特にeMarketerの調査は2008年である)が、今回の調査結果(ともに20%強のユーザーが容認している点)を見る限り、両国のネットユーザーにおける行動データの収集に対する意識にはそれほど違いがないことがわかった。
米国の行動ターゲティング市場は日本の8倍程度と言われている。日本の行動ターゲティング市場はどこまで拡大していくのだろうか。企業、ユーザー、そして行政の動きに引き続き注目していく必要があるだろう。
次回の「広告に対する意識調査(特別編)」では、性年代別の広告に対する意識の違いについてふれていきたいと思う。
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