ロサンゼルス発--ハリウッドの6大映画スタジオは、業界団体の全米映画協会(MPAA)が違法なファイル共有に対する戦いを遂行してきたやり方に不満を持っているようだ。CNET Newsは、海賊行為対策に取り組む活動の主導者が少なくとも3人役職を失ったとの情報を得た。
2009年9月下旬にMPAAでのポストをひっそりと追われた3人の中には、同協会のゼネラルカウンセルを務めるGreg Goeckner氏が含まれていた。残りは、MPAAの国際的な海賊行為対策活動を担当するディレクターと、同じくMPAAのインターネット海賊行為対策を担当する副ディレクターだ。Goeckner氏は、2009年末までMPAAにとどまることになる。
他のMPAAのスタッフは、海賊行為と戦う活動における劇的な再編の一環として解雇された。この再編には、「海賊行為対策」(antipiracy)という言葉の使用をやめて「コンテンツ保護」(content protection)と呼び変えることも含まれる。
映画業界の情報筋2人によれば、MPAAによる海賊行為対策のリーダーシップは映画スタジオの幹部に好印象を与えることができず、幹部の一部はMPAAに積極性が欠けているとの懸念を示したという。MPAAによる海賊行為対策の取り組みの最上層部を入れ替えることは、MPAAの最高経営責任者(CEO)であるDan Glickman氏にとって不名誉とみられるのは間違いないだろう。
MPAAの広報担当者は一連の解雇についてコメントを避けたものの、MPAAのシニアエグゼクティブバイスプレジデントのDaniel Mandil氏がゼネラルカウンセルおよびコンテンツ保護主任に指名されたと述べた。Mandil氏は、MPAAの法的措置と海賊行為対策を合わせた取り組みを監督することになる。
Glickman氏については、映画スタジオ幹部の間で1年以上にわたりささやかれている噂によると、(Bill Clinton大統領時代に)米農務長官を務めた同氏が2004年にMPAAを引き継いで以来、十分に能力を発揮できていないという。情報筋の1人は、Glickman氏が2010年9月の契約満了まで持たないだろうと述べた。
だがMPAAは、Glickman氏の早期離脱が迫っていることを否定した。
MPAAの広報担当者であるAngela Martinez氏は、次のように述べた。「Dan Glickmanは、MPAAの加盟企業であるスタジオの幹部たちとしばしば会合を持つが、今週(2009年10月第3週)も数名の幹部と会談した。これらの会合の中でGlickmanは、残りの任期を通じ、会長兼CEOとしての役割において継続すべき自身の計画を再確認した。幹部たちはその公約を歓迎し、Glickmanに対して引き続き信頼を寄せていることを表明した」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」