IntelとAdvanced Micro Devices(AMD)は米国時間10月14日、互いへの制裁措置を求めて、デラウェア州米連邦地方裁判所に申し立てを提出した。いずれの申し立ても、2005年にAMDが起こした独占禁止法違反訴訟における情報の保持に関するものだ。
Intel側の申し立ては、2005年にIntelに対して起こした訴訟に関する文書を、AMDが適切に保管しなかったと主張している。Intelの声明によると「AMDは自社の取り組みを歪曲し、自らの失敗を裁判所およびIntelから隠そうとした」という。
Intelは、文書の保管に関するAMDの主張は誇張されていると主張する。Intelの広報担当者Chuck Mulloy氏は、次のように述べた。「当社が2007年に自らの問題を公開して以来、AMDは当訴訟における文書の保管に対して『模範的な』スキームを有していると主張してきた。今やAMDの主張は実際には誤りであり、さらには同社の幹部や従業員の一部が数千件もの文書や電子メールを保管していなかったことが明らかとなった」
今回の申し立てにおいて、Intelは自らの論点を「議論の概要:AMDは、Intelがはるか以前に自主的に行ったことを実行するよう命じられるべきである」という見出しでまとめている。Intelの主張は以下の通りだ。「少なくとも2005年1月までには、AMDはIntelに対する訴訟を予期していたと考えられ、同社は原告が訴訟準備のためにするあらゆる備えを行った(中略)。だが(AMDは)法律が原告に義務付けていた要件の1つ、すなわち関連文書の保管には着手しなかった」
Intelは、証拠開示手続きにおいて同社自身が犯した過ちを「修正あるいは改善する」取り組みには数千万ドルかかったが、計画に沿って無事に問題を改善したと考えているとし、「結果として、当社はAMDに対し2億ページ近くもの文書を提出した」と述べた。
一方のAMDは、Intelによる申し立てを「何の価値もない」と一蹴し、さらにはIntelが「証拠の保管を怠っている」として別途申し立てを行った。
AMDは、上述の改善努力により問題は改善したとするIntelの主張に異を唱えた。「Intelは、同社の法務顧問が効果的な文書保管プログラムを企画および実施する上で最低限の義務さえ果たしていれば、この証拠保管における大失態を容易に回避できたはずだ」とAMDは述べている。
AMDによれば、この「大失態」は「大々的に宣伝され賞賛されたが、最終的には失敗に終わったIntelによる改善の試み」につながったという。
申し立ての抜粋は次のように続いている。「Intelによる保管問題の核心は、強制力を持つ当局がIntelの強硬な自動削除システムを排除するよう同社に求めたにもかかわらず、Intelがこれを排除しなかったことだ。(中略)Intelの自動削除シュレッダーは、いかなるセーフティネットもなく作動し続けた」
AMDはまた、次のように主張した。「Intelは、AMDの論証能力を容赦なく取り返しがつかないまでに阻害している。文書足跡が厳格に禁止されている企業において、Intelは『移動か削除か』(move-it-or-lose-it)という文書保管体制を強要し、これにより手動で保管しない文書はすべて永久に抹消されることになった」
結論として、AMDは「裁判所向けに陪審への説示案を提出し、その中でIntelが意図的に証拠を破棄したことに起因する損害の救済を試みている」と述べている。説示では、Intelが「数十万件もの必要な文書を破棄した」ことを陪審に伝えるよう定めているという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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