グーグル、A・レビンソン氏の取締役辞任を発表--アップル取締役との兼務を終了

文:Lance Whitney(Special to CNET News) 翻訳校正:編集部2009年10月13日 11時54分

 AppleとGoogleの両社とつながりのある幹部社員がまた1人、一方の取締役会を去ることになった。

 Googleは米国時間10月12日、Genentech元会長のArthur Levinson氏がGoogle取締役会を同日付で辞任したことを発表した。Levinson氏は、2004年にGoogle取締役会の一員となったが、2000年よりApple取締役会にも名を連ねている。

 8月上旬、Google最高経営責任者(CEO)であるEric Schmidt氏は、Apple取締役会を辞任している。

 Levinson氏の辞任に関して具体的な理由は明かされなかったが、同氏が兼任している両社の取締役のうち一方を辞めるよう、多少の圧力があった可能性が高い。米政府の調査やAppleとGoogleの競争が激化するなかで、両社の取締役を兼任することは、大きな議論を呼ぶ問題になっていた。  米連邦取引委員会(FTC)は5月、ある調査を開始している。調査の目的は、AppleとGoogle両社の取締役を兼任することが独占禁止法に違反するかを判断すること、といわれている。8月に起きたSchmidt氏のApple取締役会辞任は、同氏辞任を求める声が高まるなかで起きた。GoogleがAppleの核となる事業へ進出していることから、Schmidt氏は、Apple取締役会を辞任しなければ、利害の衝突を理由に多くの会合への出席を取り止めなければならない事態になっていただろう、とAppleのCEOであるSteve Jobs氏は当時述べていた。

 このところ、AppleとGoogleは衝突することが多い。FCCは現在、「iPhone」向けアプリケーションの「Google Voice」がAppleから拒否されたことを調査している。この件に関しては、互いに異なる主張が両社の間で交わされている。

 さらに、Appleは7月、Googleのマッピングプログラム「Latitude」にも制限を加え、同プログラムをネイティブのiPhoneアプリケーションではなく、ウェブベースのアプリケーションとしてのみ許可した。

 さらに、GoogleはOS分野にも進出を試みている。ただし現時点では、GoogleはAppleと競争できる立場にはまだない。Googleの「Android OS」はスマートフォンをターゲットにしており、Googleが提案している「Chrome OS」は、デスクトップやノートPCを主戦場に定める予定でいる。

 Schmidt氏は10月12日、声明において、Levinson氏がGoogleの取締役在任中に果たした功績をたたえた。「Artはこの5年間、Googleが直面したあらゆる重大問題や機会に関して、率直な忠告と極めて重要な助言を提供し、Googleの成功に大きく貢献してくれた」とSchmidt氏は述べた。「Artは、弊社取締役会を去ることになるが、Googleにとって特別な位置をいつまでも占め続けるだろう」(Schmidt氏)

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。 原文へ

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