9月24日、東京ゲームショウ2009が幕張メッセで開幕した。基調講演にはソニー・コンピュータエンタテインメント代表取締役社長兼グループCEOの平井一夫氏が登場し、同社のビジネスの現状と今後の展開について語った。
平井氏は今後のゲームを語る上で欠かせないのがネットワーク機能だと話す。ユーザーがネットワークを通じてゲームコミュニティに参加することで、これまでになかった楽しみ方が生まれるというのだ。例えば同社が2008年に発売したアクションゲーム「リトルビッグプラネット」は、ユーザーがステージを作ってほかのユーザーと共有できる点が特徴で、現在のステージ総数は128万件にものぼるという。
また、ゲームクリエーターにとっても、ネットワーク機能を活用することでこれまでのパッケージ売り切り型モデルとは違うビジネスモデルが構築できると、平井氏はメリットを強調した。
「ネットワークという新しい要素を使って、ユーザーの『もっと遊びたい、もっと参加したい』という心をくすぐることが、次のゲーム開発の方向性になるだろう」(平井氏)
ゲーム以外のコンテンツをインターネット配信することにも力を入れる。米国ではすでにPlayStationを通じて映画やテレビ番組の配信を始めており、映画は2300本、テレビ番組は1万3300本をラインアップしている。11月には英国、フランス、ドイツ、スペインでもサービスを開始し、2010年には欧州全域にも拡大したいとした。
このほか、電子書籍の配信も計画している。12月に欧州で電子コミックの配信を始める予定で、日本でも年内に始めたいとした。
ソニー・コンピュータエンタテインメントは価格を約1万円下げた新型PlayStation 3を欧米で9月1日に、日本では9月3日に発売している。平井氏によれば発売から3週間で販売台数が100万台を突破したとのこと。「FINAL FANTASY XIII」や「龍が如く4 伝説を継ぐもの」など、年末に向けて数多くのタイトルが発売されることから、ハードウェアの価格を下げてより多くの人にゲームを楽しんでもらうことが狙いだったとした。
また、新たにPlayStation 3向けにモーションコントローラを発売することも明かした。これはユーザーの動きを検知してゲームを操作するもので、より直感的にゲームを楽しめるようになるという。振動や光の点滅などでユーザーに反応を返す機能もある。2010年発売予定で、平井氏は「第2の標準コントローラにしていく」と話した。
将来的には、ユーザーの感情がゲーム内に反映されるようにしたいと平井氏は言う。「たとえば、ロールプレイングゲームの中で『目が泳いでるぞ』とか言われたら面白い。motion(動作)からe-motion(感情)へ入力系を進化させたい」(平井氏)とし、ゲームとしてのインタラクティブ性をより高めていくという方向性を示した。
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