グーグル、「HTML 5」への積極的参加でマイクロソフトを賞賛

文:Tom Krazit(CNET News) 翻訳校正:編集部2009年09月18日 12時01分

 GoogleとMicrosoftが公の場でお互いを賞賛するという、珍しいことが起きている。Microsoftが「HTML 5」規格に積極的に参加するとの決定を下したことで、両社が親密になっているのだ。

 Googleの社内でHTML 5を支持する中心的な人物であるMark Pilgrim氏は、Ars Technicaが取り上げたThe WHATWG Blogへの投稿記事で、MicrosoftのAdrian Bateman氏が数週間前、HTML 5開発に関する話し合いに加わったことについて、同氏に謝意を表した。「Adrian Bateman氏は2009年8月7日、これまでいかなる男性も女性も成し得なかったことをやり遂げた。同氏はMicrosoftを代表して、HTML5の現行の『Editor's Draft』に関する大量のフィードバックを提供したのだ。同氏のフィードバックは詳細かつ非常に道理にかなったもので、それによって多くの議論が発生した」とPilgrim氏は述べている。

 Microsoftは世界で最も普及しているブラウザの開発元であるにもかかわらず、HTML 5規格の開発については、8月まで実質的に沈黙を保っていた。Bateman氏は8月になって、同規格にさまざまなタグを実装する方法に関して、可能性のあるいくつかの選択肢を検討し、「

 HTML 5は、Googleが今後数年間、同社の「Chrome」ブラウザおよび「Chrome OS」プロジェクトを展開するに当たって、解決すべき課題の大きな部分を占めている。Googleの幹部らは、Microsoftが同プロジェクトに参加することですべてのブラウザのアプリケーション実行能力が向上するにもかかわらず、それに対してあまり積極的ではないとして、Microsoftを批判してきた。しかし、多くの企業がMicrosoftの現行バージョンの「Internet Explorer」ブラウザを中心にアプリケーションを構築しており、そうした企業は新しい規格が実装された場合、修正や一からのやり直しを余儀なくされることから、MicrosoftがHTML 5を支持するのは容易ではない、ということもGoogleは認識している。

 「みんなの予想通り、8月7日以降の議論の大半は、Microsoftからのフィードバックによって発生したものだ。同社が5年間にわたる事実上の沈黙を破った今、依然として世界シェア1位を誇るブラウザの関係者と意見交換する機会を欲しない者など誰もいない」とPilgrim氏は書いた。

 もちろんGoogleとMicrosoftは、これ以外の件に関しては、テクノロジ業界の覇権をめぐる日々の争いの中で、お互いを激しく攻撃している。両社の最高経営責任者(CEO)は、昔からお互いに敵対意識を持っており、両者とも自分の現在の支配的地位を守ろうとして、相手の得意分野を攻撃している。Microsoftは、Google検索に匹敵する検索エンジンの開発に数億ドルを投資してきた。そして、Googleは、Microsoftのオフィス生産性ソフトウェアにおける支配的地位に狙いを定めたほか、独自の軽量OSを開発する計画も発表している。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ

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