提案されているChartered Semiconductor ManufacturingとGLOBALFOUNDRIESとの合併が実現すれば、Advanced Micro Devices(AMD)の製造部門が独立してできたGLOBALFOUNDRIESにとって、世界トップクラスのファウンドリになるという目標に向けて前進する後押しとなる、とアナリストたちは見ている。
Advanced Technology Investment Company(ATIC)とCharteredは先週、ATICがCharteredを17億5000万ドルで買収する最終契約を締結したことを発表した。ATICは、同社がAMDとともに設立した合弁企業であるGLOBALFOUNDRIESの約3分の2を所有している。
この契約には、シンガポールの高等裁判所およびCharteredの株主の承認が必要だが、市場分析会社iSuppliによると、この契約は承認される可能性が高いという。
iSuppliは報告書の中で、CharteredとGLOBALFOUNDRIESを合わせた2009年上半期の売上高は12億ドルであり、ファウンドリ専業会社の中で第2位になると述べている。第1位は明らかに、売上高33億ドルのTaiwan Semiconductor Manufacturing Company(TSMC)だ。
今回の契約は、GLOBALFOUNDRIESがこれまで是正できていなかったサービスとバルク製造能力に関するいくつかの「目立った弱み」に対処するものだ。特に、GLOBALFOUNDRIESはCharteredを買収することにより、稼働中の300mmの工場を2カ所、200mmの工場を5カ所持つことになる。
iSuppliの半導体製造業界担当ディレクター兼チーフアナリストであるLen Jelinek氏は、報告書の中で次のように述べた。「この買収により、GLOBALFOUNDRIESは大量生産とシリコンオンインシュレータ(SOI)テクノロジによる生産の両方の能力を持つことになる。以前は、GLOBALFOUNDRIESはSOIしか製造できなかった。しかしさらに重要なことは、買収前には、同社は最大の顧客であるAMDが望むやり方でしか物事を進められなかったことだ」
「今回、Charteredが整備したインフラストラクチャを手に入れることから、同社は多大な恩恵を受ける」とJelinek氏は付け加えた。
In-StatのチーフテクノロジストラテジストであるJim McGregor氏は、調査メモの中で、この合併案はGLOBALFOUNDRIESにとって「飛躍的な一歩」だと述べた。同氏は、この契約によって、同社が長期的に成功するために不可欠なこととしてIn-Statが明確にした3つの重要な条件のうち最後の1つが達成されるだろう、と指摘している。
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