小額決済(マイクロペイメント)およびトランザクションプラットフォームがウェブ上でも注目の分野となってきている現在、そこにGoogleも参加を望んでいることは何ら驚くことでない。
しかしながら、ややGoogleのアプローチは異なっている。ハーバード大学のNieman Journalism Labによれば、同社が開発を計画している決済プラットフォームは、デジタルコンテンツへの課金を望む新聞社を対象としたものである。
Googleの計画は、米国新聞協会(NAA)に対して送られたドキュメントに詳述されている。これは同協会からの質問に答える形で出されたドキュメントとなっている。
Nieman Journalism Labが米国時間9月9日に掲載した同ドキュメント(PDFファイル)には「まだ現時点では初期の開発段階に過ぎないものの、小額決済プラットフォームは、Googleと関連があるなしにかかわらず、各企業団体へ2010年中に提供される決済システムとなる。このアイデアによって、一定期間に及ぶ異なる購入先での買い物を取りまとめ、ごく小額の複数決済を数ドル単位の決済として処理可能となる。Googleは、過去の購買履歴に基づく利用限度を設けたり、利用限度額が大きい場合にはクレジットカードの使用を求めたり、悪用や詐欺の情報を調査するプロプライエタリなリスク検索エンジンを併用したりして、不払いに絡む問題の低減を目指していく。決済の統合は、至って単純な仕組みである」との説明をしている。
これはNieman Journalism Labが指摘しているように、Googleの計画では決済処理の取りまとめが提唱されている点が興味深いところだ。なぜなら、トランザクション手数料に関して、多くの出版者の間には潜在的な懸念があるからだ。明らかに同社の計画は、まだかなり予備段階にある。
Googleの広報担当からNieman Journalism Labに対して9日に出された声明には「米国新聞協会からGoogleに対して、いかにして加盟する新聞社は、テクノロジを駆使してデジタルコンテンツの売り上げを伸ばすことができるかに関し、何かアイデアを出してほしいとの依頼があったので、今回の提唱で、そのアイデアのいくらかを共有した。これは、より多くの読者へとリーチを拡大し、さらなる読者の要望に応えながら、出版社が売り上げを伸ばせるようにサポートすることを目指すGoogleの方針とも合致するものである」と記されている。
この小額決済システムのベースになると考えられる「Google Checkout」オンライントランザクションサービスは、すでに発表されてから数年が経過している。とはいえ、対抗するPayPalに追いつく上で、依然として大きく差を縮めるには至っておらず、さまざまな難題にも直面している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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