Financial Times(FT)が現地時間5月10日付けで報じたところによると、Wall Street Journal(WSJ)は非購読契約者向けに、個々の記事を小額で提供する小額決済(マイクロペイメント)モデルの導入を計画しているという。
Dow Jonesの編集長およびWSJのマネージングエディターを務めるRobert Thomson氏はFTに対し、「高度な小額決済サービス」を2009年秋に開始する計画を明らかにした。このシステムはWSJ.comに年間100ドル以上の購読料は払う意思のない読者向けのサービスだ、とThomson氏は説明している。
オンラインで有料コンテンツを提供する新聞が少なくなっているが、WSJはコンテンツに課金する数少ない新聞社だ。New York Timesは2007年、オンライン購読モデルを2年間実験した後にこれを廃止した。その際、広告売り上げと比較すると、購読料金の売り上げ予測が少ないことを示唆していた。
このたびの支払いモデルは新聞業界は劇的な縮小傾向にある中、浮上した。読者がオンラインでニュースを取得するようになるにつれ、新聞は購読者数の減少と広告収入の減少に悩まされている。ここ数カ月の間、多くの新聞社が人員削減を発表しており、さらなる削減ができない場合、あるいは事業の売却先を見つけられない場合は閉鎖に追い込まれるかもしれないと一部の人々は警告している。
こうした状況を受け、多くのパブリッシャーが新しい収入モデルを模索している。ニューヨーク州の新聞Newsdayは2月、オンライン記事有料化の計画を発表している。
パブリッシャーはまた、検索エンジンやニュースアグリゲーターを攻撃の的にしている。Googleは先日、自分たちのコンテンツから利益を得ているという新聞社幹部や出版社およびAssociated Pressからの攻撃に対し、抗弁する状況に追い込まれている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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