米国時間9月9日に開催されたAppleの音楽関連イベントには、報じるべき発表がいくつもあった。新しいデジタルアルバムのフォーマット「iTunes LP」、1.29ドルで販売される着信音といったものだ。だが、さらに印象的だったのは、「iPod nano」の機能改善に対するAppleの力の入れようだ。
iPod nanoは今回、製品ラインアップの中で唯一、大幅な刷新が行われた機種で、ビデオカメラ、FMラジオ、ボイスレコーダーアプリ、歩数計を新たに搭載した。いささか意外だが、今回、iPod nanoの上位に位置する「iPod touch」については刷新されないようで、こちらはいまだにビデオカメラや内蔵型のFMラジオを搭載していない。
戦略的には、この選択は納得できる。Steve Jobs氏はステージ上で、iPod nanoは1億台以上売れ、世界で最も人気のある携帯音楽プレーヤーになったと述べた。価格面で見ると、iPod nanoは100〜200ドルというスイートスポットを占めている(新しいiPod nanoの8Gバイト版は149ドル、16Gバイト版は179ドルだ)。
この1年、Appleは新色の追加を除くと、ほとんどiPod nanoを刷新しなかった。そこで、中間市場の支配を維持するため、Appleは今回、賢明にも望まれていた機能のいくつかをiPod nanoに追加した。中でも大きいのがビデオカメラだ。これにより、人気の小型ビデオカメラ「Flip」も、にわかに割高に見えるようになってしまった。
ローエンドでは「iPod shuffle」の価格も引き下げられ、2Gバイト版が59ドル、4Gバイト版が79ドルになった。ただ、SanDiskの「Sansa Clip+」と比較すると割高感が残る(Sansa Clip+は2Gバイト版が39.99ドルで4Gバイト版が49.99ドル、小さなメニュー操作用のディスプレイとFMラジオを搭載し、さらにmicroSDカードスロットがあるので記憶容量を拡大できる)。この価格帯は、iPodブランド頼りで行くようだ。
ハイエンド市場では、iPod touchが最も魅力的なモデルであることに変わりはない。Wi-Fi接続機能と巨大なApp Storeによって、ポータブルコンピューティングを再定義し続ける存在だ。しかし、純粋に音楽プレーヤーとしてみたとき、競争の余地はあると、わたしは考えている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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