GPSナビゲーション業界には、ユーザーの機器内の地図が古いという同業界の問題は、ユーザー生成データによって解決される可能性があるとの意見がある。
Googleの地理空間テクノロジストEd Parsons氏によると、GPS機器のユーザーが地図上で不正確な位置にある道路やランドマークを見かけることがあるのは、更新された地図をユーザーに届けるのに長い時間がかかるからだという。
Parsons氏は、ZDNet Asiaとのインタビューで、道路の地図を作成してから、地図を更新して整備工場などの配布チャネルにのせるまでに時間がかかるため、新品の機器であっても地図が2年以上古いことがあると述べている。
地図をオンラインで購入するとしても、このプロセスが1年程度縮まるだけで、ユーザーは約1年前の地図を使うことになり、これはユーザーによっては十分でない場合があると同氏は付け加えた。
Parson氏によれば、このプロセスの中で最も時間がかかるのは、地図を収集することだという。「従来は、実際に運転して(道路のデータを)集めていた。データを更新するには、同じルートをもう一度運転する。この手動の(プロセス)は、時間も費用もかかるが、これまではそれが唯一の方法だった」(Parson氏)
業界は、情報をリアルタイムで入手し、アップデートをよりすばやく出せるようにしようとしていると同氏は言う。
それに関連して、シンガポール自動車協会は現地時間9月1日、ドライバーにさらに新しい情報を提供することを目的とする「TrafficGEM」というGPSベースの機器を発表した。
同機器では、地図に道路の変更が反映されることはないが、リアルタイムの交通情報機能によって、交通渋滞のような一時的に有効な情報がユーザーに警告されると期待されている。
Parsons氏によれば、業界は、ユーザーが情報をフィードバックできるツールを提供することで、ユーザーからの応答を利用して地図データを補うというトレンドに対応する準備をしてきたという。
Googleには、「Google Maps」サービスと連携して機能する「Map Maker」というサイトがある。
地図プロバイダーのTele Atlasも、ユーザーからの情報を「追加の情報源」として統合すると述べている。こういった情報源は、同社の測量士の調査対象となることが少ない、地理的に分散した郊外地域で役立っている。
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