OracleのSun Microsystems買収に関する最終的な承認は、欧州の規制当局によって暗礁に乗り上げてしまった。
欧州委員会は現地時間9月3日、OracleとSunの合併案に関する詳細なる調査に踏み切ることを正式に発表した。欧州委員会は、これまで実施されてきた予備的な調査により、両社の合併が、30の欧州諸国からなる欧州経済領域(EEA)のデータベース市場で競争を脅かす可能性が認められたとの見解を示している。
初期の調査段階では、OracleのプロプライエタリなデータベースとSunのオープンソースの「MySQL」が同市場の多くの分野で直接的に競合するものとなり、Oracleが引き続きオープンソースのデータベースとしてMySQLの開発を奨励していくかどうかなど、懸念される点が発見されたという。
欧州競争政策担当委員のNeelie Kroes氏は「世界でも有数のプロプライエタリなデータベースメーカーが、同じく世界でも有数のオープンソースなデータベースメーカーを買収することになる場合、欧州委員会としては、それが欧州での競合に及ぼす影響などを非常に綿密に調査していかねばならない。とりわけ欧州委員会は、買収の結果として、消費者の選択肢が減少したり、値上げに直面せざるを得なくなったりすることがないように見届ける責務がある」との声明を発表した。
企業のITシステムにおけるデータベースの重要性を指摘しつつ、欧州委員会は、現在の経済事情を考慮しても、企業にとってコストパフォーマンスに優れたソリューションが必要とされている点に注意を喚起した。Kroes氏は「オープンソースソフトウェアをベースとするシステムは、プロプライエタリなソリューションに代わる選択肢として、ますます存在感を増してきている。欧州委員会は、こうした選択肢が今後も提供されていくことを保証できるようでなければならない」と語った。
欧州連合(EU)のエグゼクティブ機関となる欧州委員会では、2010年1月19日までの90日に及ぶ稼動日を用いて、合併に関する最終的な決定を下していくとしている。
Oracleは、欧州委員会が「フェーズ2の調査段階に入り、さらなる合併に関する情報を求める」ことを決定したと述べる声明を発表するにとどまり、特に他にコメントは出されていない。
両社の合併は、すでにSunの株主および米司法省によって承認されている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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