「フラグ付き改訂」と呼ばれるこの変更は、後にドイツ語サイトで実施され、現在、記事のすべての変更は、公開される前に承認を受ける必要がある。「The Wikipedia Revolution」の著者であるAndrew Lih氏によれば、このドイツ語版での実験は成功であり、ずっと大きな英語サイトにこのシステムを広げることを提案する人たちにとって大きな後ろ盾となっているという。
おそらく、ドイツ語方式の変更を英語サイトに加えた場合に起こるであろう激しい興奮に対処するため、現時点で真剣に検討されている提案は、「存命人物の伝記」(biographies of living persons:BLP)に対する変更にエディターの承認を必須とするということだけだ。
Lih氏によれば、それでもBLP記事は「Wikipedia関係者にとって監視し管理するのが本当にやっかい」で、このフリー百科事典にとって最悪のスキャンダルを引き起こしてきたという。特に、上院議員Ted Kennedy氏とRobert Byrd氏、そしてエンターテイナーのSinbad氏についての記事の荒らし行為では、これらの人物がみな死んだことにされてしまった。
元々提案されていた「フラグ付き改訂」の変更とは異なり、「フラグ付きの保護と監視された改訂(flagged protection and patrolled revisions)」の修正は、BLP記事にのみ適用されるだろう。
これは、Wikipediaの批判者の多くを満足させるのに十分だろうか。そのような批判者、例えばサンタクララ大学法科大学院の准教授Eric Goldman氏は、この百科事典は人々がサイトでできることを今よりずっと厳しい方法で管理しなければ、自己崩壊に直面すると考えている。
そうなるかどうかはまだ分からない。しかし、批判者たちは、Wikipediaは誰でも好きなときに編集できるサイトという当初のサービス契約にそぐわないほど大きくなっていると強く感じている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
すべての業務を革新する
NPUを搭載したレノボAIパソコンの実力
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
イノベーションの「種」から社会実装へ--
社会課題の解決に挑む各社の挑戦
「1→10」の事業化を支援する
イノベーション共創拠点の取り組みとは