Goldman氏は、「Wikipedia's labor squeeze and its consequences」と題された最近の記事で、次のように書いている。「自由に編集できるということは、Wikipediaにとってアキレス腱だ。Wikipediaは、記事を非生産的な目的で編集する荒らし行為やスパム行為をひきつけてきた。これまでのところ、Wikipediaのボランティアエディターはこれらの脅威を防ぐことに成功しているが、将来の成功は保証されていない。第1に、Wikipediaの人気が増すにつれて、荒らし行為やスパム行為をする人にとっても魅力が増し、悪意を持った編集の量が増えるだろう。第2に、時間がたつにつれ、Wikipediaの現在のエディターが辞めてゆくが、さまざまな障害、例えばWikipediaが金銭や名誉を求めない貢献者に依存していることが、後任の勧誘を妨げていると思う。この動きにより、作業量の圧迫が起きるだろう。なぜなら、脅威に対抗するための作業量が増えるが、それを負担する献身的なエディターが少なくなっていくからだ」
おそらくWikipedia史上最も悪名高いスキャンダルである、いわゆるシーゲンソーラー事件では、2005年後半、当時匿名であった人物が、作家でジャーナリストのJohn Seigenthaler氏についての記事を、同氏が元米大統領John F. Kennedy氏の暗殺に関わった可能性を示唆するように変更した。その結果、同サイトには非常に大きな変更が加えられた。シーゲンソーラー事件から少し後に加えられたその変更では、登録したユーザーしか記事を編集できなくなった。それ以前は、誰でも好きなときに編集できた。
では、その結果Wikipediaは崩壊したかといえば、ほとんどしなかったし、変わったことといえば、繁栄しただけだ。現在、英語サイトには300万以上の記事があり、インターネットで最も頻繁に訪問されるサイトの上位10位以内に常に入っている。
それに比べ、BLP記事の編集が公開される前にエディターの承認を必要とするというのは、確かに大きなステップではあるが、もちろん、そう変更したからといって編集内容が一般の目から隠されるわけではない。実際、Wikiの動作方法を考えれば、承認されていない編集であっても、記事の履歴を表示すれば誰でも見ることができるとLih氏は言う。
この事実は、新しい規則を不安に感じ、すべての編集は、一般に見ることができるかどうかはともかく、記録されるべきだとする人々の懸念を和らげるのに役立つかもしれない。
Goldman氏によれば、フラグ付き保護という名称でテストされているシステムを実装するのは、正しい方向への一歩であるが、荒らし行為を十分に防ぐためにはほど遠いという。
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