米連邦通信委員会(FCC)は米国時間8月27日、無線通信業界における革新状況を調査することを満場一致で決定した。この動きにより、先だって「Google Voice」がAppleの「App Store」への登録を拒否された問題などの議案で、更なる通信業者への規制と政府の介入につながる可能性がある。
2人の共和党議員を含むFCCの5人の委員全員が無線通信業界に対する2つの調査を認める票を投じた。1つは競合および革新の状況を広範囲に調査すること、そしてもう1つは、料金明細を明確にするという規定が、月額電話料金で何に対する支払いをしているのかをユーザーに確実に伝えるものになっているかについて評価するものだ。
27日の委員会での投票は、将来の連邦法制定に向けた小さな第一歩にすぎない。正式調査がなされたからと言ってそのまま新しい規制に結びつくわけではないが、FCC委員長Julius Genachowski氏は、委員会が無線革新の追求に「容赦ない」姿勢であることを強調した。米国の大手無線通信業者を代表する組織CTIAは、同業界が非常に競争的で革新的であると語っている。
可能性として1つは、割り引き付き契約で縛らない端末を販売することを、FCCが携帯プロバイダに義務づけることが考えられ、これは2008年に民主党が提出した法案が要求した内容だ。他には携帯電話事業者と携帯機器メーカー間の独占契約を終了させることで、例えばAppleとAT&Tが結んでいる契約などがこの対象となる。
FCCはすでに、Googleが現在もGoogle VoiceアプリケーションをApp Storeに登録できずにいる問題に介入している。先週AT&TはGoogle Voiceの登録には関与していないとFCCに語っており、Appleは単にまだ承認されていない状態だと説明している。
CNET NewsはGoogleがFCCに対して記した返答書を公開しているが、ここには同アプリケーションが承認されない理由は説明されていない。
AT&Tが関与していないとすれば、FCCは介入する法的権限を持たない可能性がある。ワシントンの米連邦控訴裁判所がブロードキャストフラグの一件ですでに裁定を下しているとおり、FCCは少なくとも米議会から明確に認められていない限り、通常コンピュータハードウェアにまでは権限がおよばない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。原文へ
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