ソニーは米国時間8月25日、同社として初のワイヤレス通信機能を内蔵した電子書籍リーダー「Reader Daily Edition」を発表した。Reader Daily Editionでは、3Gのワイヤレス通信接続がサポートされており、ソニーのオンラインブックストアや今後発表が期待される新聞および雑誌の購読サービスへとダイレクトにアクセス可能となる。ポートレートモードまたはランドスケープモードに両対応した7インチのタッチスクリーンを装備するReader Daily Editionは、12月に399ドルで発売される予定である。Reader Daily Edition向けのワイヤレス通信サービスは、月額基本料金や年間契約不要でAT&Tから提供される。
すでにソニーは、299ドルの「Reader Touch Edition(PRS-600)」および199ドルの「Reader Pocket Edition(PRS-300)」を発表しており、いずれも今後数週間以内に正式販売が開始される。Reader Daily Editionは、ワイヤレス通信接続のサポートおよび大型スクリーンの採用といった特長以外は、ほぼReader Touch Editionと同じ仕様になっており、E-inkの16階調グレースケール表示となる「Vizplex」電子ペーパーディスプレイが搭載されている。
ソニーは、ニューヨーク公共図書館で開かれた発表イベントにおいて、電子ブックプラットフォームに関する注目の新機能などを発表した。最も注目される機能としては、新たにソニーのReader向けに図書館から書籍貸し出しサービスがサポートされるようになった点が挙げられる。地元の図書館が電子レンタルをサポートしていれば、会員は借りた書籍をダウンロードして、21日間(ファイルはその後、期限切れとなり消去される)は各Reader上で閲覧できるように転送可能である。また、ソニーはOverdrive.comと提携し、同サービスに参加している図書館の電子レンタル対応書籍を容易に検索できるようにしている。
さらに注目すべき点としては、ソニーの「eBook Library」ソフトウェアで最新となるバージョン3.0がリリースされており、Windowsに加えてMacのサポートも追加された。同ソフトウェアにより、購入した書籍ファイルや他のPDFまたはEpubフォーマットのサポートされているコンテンツを、コンピュータ上からReaderへと転送することができる(この転送機能はReader Daily Editionでもサポートされているものの、3Gワイヤレス通信によるオンラインコンテンツのダイレクトダウンロードにより、PCからの転送は不要となるだろう)。
ソニーは、新たに「オープンになった」Epubフォーマットも発表しており、以前のプロプライエタリなBBeBフォーマットからの移行が図られている。ソニーのオンラインブックストアには、今後もDRMによるエンコードが行われたEpubフォーマットの電子書籍が並ぶものの、BooksOnBoard、NetGalley、Powells.com、さらには他のAdobe Systemsが提唱するEpubフォーマットを標準採用した小売業者から購入したファイルなども、ソニーのReaderに対応する。とはいえ、独自の「Kindle」向けのプロプライエタリな電子書籍の標準規格を採用しているAmazonや、新たに「Plastic Logic」電子書籍リーダー向けに独自のEpubフォーマットの開発に取り組んでいるBarnes & Nobleは、対象外であることを明記しておかねばならない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ
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