パナソニックは8月3日、2010年度3月期(2009年4月〜2010年3月)第1四半期(4月1日〜6月30日)の決算を発表した。売上高は前年同期比26%減の1兆5955億円、営業利益は202億円の赤字で、減収減益となった。しかし期初見通しから比べると売上高は400億円の増収、赤字幅も大きく縮小した。
取締役の上野山実氏は「引き続き価格下落は厳しくなるものの景気刺激策による売上増、コスト削減による利益の向上が見込まれる」として2010年3月期上期(4月〜9月)の連結業績予想を上方修正した。それによると、売上高は前回発表時から400億円増となる3兆3000億円へ引き上げられ、営業利益は1050億円の赤字から200億円の赤字へと大幅縮小された。
セグメント別では、テレビやデジタルカメラなどを持つデジタルAVCネットワークが前年同期比31%減の売上高3668億円、携帯電話などを有するパナソニック モバイルコミュニケーションズ(PMC)が同14%減の1020億円となった。ともに対前年比では落ち込みを見せたが、2009年3月期の第4四半期に比べると124%、108%と売上を伸ばしている。
中でも薄型テレビでは、エコポイントの影響により国内では増販となった。海外では2008年に開催されたユーロカップの影響や景気悪化などもあり減収となったが、前期比では国内外ともに販売台数は大きく伸長。2009年度のテレビ販売台数計画1550万台に対し「期初見通しどおりに推移している」とした。
今後の商品展開については「薄型テレビは高インチ化、フルハイビジョン化を進め、収益性の高い商品にもっていきたい」とする。液晶テレビに関しては「北米で3倍、中南米で2倍、アジアで2倍と売上を大きく伸ばしている。新興国はブラウン管の置き換えになるので、まだまだ(ブラウン管テレビからの)切り替えをして、液晶そのものを伸ばしていけるチャンスはある」と期待を寄せる。
また、白物家電は「日本ではエコポイント効果で冷蔵庫が伸長した。中国では洗濯機、欧州では冷蔵庫、洗濯機が好調な滑り出しだ。ただし、天候不順を受けてエアコンはよくない」とした。3月から本格参入を果たした欧州市場に関しては「第1四半期の金額ベースで冷蔵庫152%、洗濯機が105%。9月末までにより事業展開を進めて17カ国に広げていこうと考えている」と今後の海外展開を話す。
価格下落や為替の問題など厳しい経済環境は続いているが「最悪期を脱し、安定化の兆候は見える」としており、「第2四半期から営業利益は黒字転換する見通し」とした。ただし「下期の市場は不透明なので、通期の業績予想は変えない」と慎重な姿勢を見せた。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス