三洋電機は7月30日、2010年度3月期(2009年4月〜2010年3月)第1四半期の連結業績を発表した。売上高、営業利益ともに前年同期比からマイナスになったものの、第2四半期の連結業績では赤字を大幅に縮小する見通しとした。
第1四半期(2009年4月1日〜6月30日)の売上高は前年同期比24.7%減の3613億円、営業利益はマイナス89億円となり、2008年秋から続く世界同期不況を影響を受けた形となった。うち国内売上高は同12.8%減の1466億円、海外売上高は同31.1%減の2147億円としている。
部門別の売上高では、テレビやデジタルカメラなどを有するコンシューマー部門が、海外を中心に売り上げ減となり同20.5%減の1416億円に、業務用機器などを扱うコマーシャル部門は同17%減の505億円となった。最も減少幅が大きかったコンポーネント部門は半導体や2次電池の売上減少により、同29.1%減の1640億円となった。
しかし代表取締役副社長の前田孝一氏は「部品を中心に底打ち感が出てきた。最悪の需要環境をベースに作成した業績予想と比べると一定の改善はされた」とし、5月に発表した第2四半期の連結業績予想数値を修正した。それによると前回予想時に7600億円とした売上高は8000億円と上方修正され、同200億円の赤字とした営業利益は50億円へと赤字が大幅に縮小された。
前田氏は赤字減に対して「2009年3月期第4四半期からの厳しい事業環境を考え赤字を計画していたが、テレビ、デジタルカメラをはじめとするコンシューマ部門、光ピックアップをはじめとするコンポーネント部門の売り上げが予想を上回った。従来からの営業再構築、コストダウン、ラインアップの見直しといった効果が徐々にできた」と説明する。
しかし、今期最も大きな落ち込みとなった2次電池に関しては「ノートPCの需要減とともに落ち込みを見せた。数量的には回復傾向にあるが、価格下落が続いている」とした。また、太陽電池に関しては「欧州の下落幅が大きく国内は活況しているもののカバーしきれない状況」と厳しい姿勢を見せる。
また、年間予想に関しては「現時点では下期の景気動向が不透明なため、年間予想は据え置きとする」とした。
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