カリフォルニア州マウンテンビュー発--GoogleのLars Rasmussen氏は、インターネットコミュニケーションを根本から作り変えようとする同社の大胆な試みである「Google Wave」のデモを始めて30分後、ため息をついた。またバグが見つかったのだ。
米国時間7月28日にGoogle本社で行われたそのデモの間、Rasmussen氏はそのほかの軽微なバグに忍耐強く対処してきたが、ウェーブにドラッグした画像が正常に読み込まれなかったとき、同氏は会議室の席についていた自身の兄弟であるJens Rasmussen氏に、エンジニアを呼んですぐにこの問題に対処するよう頼んだ。同社がGoogle Waveへのアクセスをより広範囲のユーザーに開放する日まであと約2カ月だが、やらなければならない仕事が膨大にある。
Google Waveは、5月に開催された同社の開発者カンファレンスGoogle I/Oで発表され、ソーシャルネットワーキングによるリアルタイムコミュニケーションを、なじみ深いインターフェースに組み込まれた検索機能と組み合わせるという目標を掲げて、参加者たちを大いに驚かせた。といっても、Waveは、単に電子メールの受信箱を強力にしただけのものではない。開発者が独自のアプリケーションを構築するために使用できるコミュニケーションプラットフォームでもあり、発表からしばらくの間はこの点に多くの人が興奮した。
だが舞台裏では、Rasmussen兄弟と、Waveを積極的に使用している6000人ほどの人々は、熱狂をさます現実に直面している。Google Waveプロジェクトの責任者であるRasmussen兄弟にとっての第1の仕事は、9月30日にGoogleがWaveの限定プレビューをより広範囲のユーザーに開放した後にWaveを使い始める10万人の新規ユーザーに対応できるよう、Waveの安定性を確保することだ。
Lars Rasmussen氏は、現時点では、Waveの全セッションのうち約25%がクラッシュで終わっていると述べている。この数字が許容できるものではないことは明らかであり、また皮肉なことに、現時点でGoogle Waveの最も重大なバグは、検索に関するものだという。
「半年もすれば、高速で、スムーズで、安定し、役に立つものになると想像している。現時点では(Waveを使う人は)スーパーアーリーアダプターとならなければならないが、9月30日までには、アーリーアダプターでよくなるだろう」(Lars Rasmussen氏)
Waveの開発作業は約2年半前から行われている。Lars Rasmussen氏によると、当初のプロトタイプは、同社の最高経営責任者(CEO)であるEric Schmidt氏と共同創業者であるSergey Brin氏およびLarry Page氏にコンセプトを提示するために9カ月間で構築されたものだが、より拡張性に優れた別のシステムができたため破棄されたという。
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