サンフランシスコ発--開発者が新製品を「iPhone」の発表時と比べているなら、おそらくその製品には何かがあるということだ。
GoogleがGoogle I/Oで初めて「Google Wave」のデモンストレーションを行った後数時間の反応が、まさにそれだった。Google Waveは電子メール、インスタントメッセージング、ファイル共有、コラボレーションソフトウェアを1つのサービスに融合することにより、インターネットにおける人々のコミュニケーション方法を再定義することを目指すものだ。開発者がGoogle Waveのテクノロジの内部と、このテクノロジによってどのようなことが可能になるかを垣間見たセッションの終了後、大きな感銘を受け、Google Waveを使って何を作成しようかと既に考えを巡らせていた開発者もいた。
Cisco Systemsのテレプレゼンスシステム部門のソフトウェアエンジニアMichael Rexroad氏は、「iPhone発表以来、こんなに興奮したことはない」と語った。同氏は米国時間5月28日の午前中、新しいタイプのアプリケーションを作成するために、28日にデモが行われたこのテクノロジをどのように使うか、アイデアがすぐに思い浮かんだと述べた。それは、Appleが2007年1月にiPhoneを初めて一般にデモしたとき、多くのソフトウェア開発者を刺激したのとまさに同じだという。
Google Waveが成功するためには開発者のサポートが不可欠だ。Googleは5月28日、開発者向けプレビューとしてGoogle Waveを参加者に公開した。Google Waveはまだ、荒削りでバグも多く、細かい点は未完成だ。
だがモバイル新興企業3bananaの最高技術責任者(CTO)Andreas Schobel氏は、Google Waveを支える特質は個々のパーツにではなく、むしろGoogleが開発者のために一連の既存テクノロジを魅力的なプラットフォームに組み立てた方法にあると言う。
同氏はGoogle Waveを、「Google Maps」(Google Waveが同じ人々によって開発されたのは偶然ではないだろう)がAjaxテクノロジによってもたらされた可能性を開発者に気付かせたことと比較した。Ajaxテクノロジはしばらく前から存在していたが、現代のウェブ構築においてコアテクノロジの1つとして使われるほどのけん引力は獲得できていなかった。
「Google Apps」のリセラーであるNewmind Groupの社長Daniel Jefferies氏は開発者ではないが、Google Waveを自社の生産性を向上させるための内部ツールとして利用する可能性に注目した。Newmind Groupは、中小企業がグループ内でGoogle Appsを導入するのを助けるコンサルティングサービスを提供しており、同氏はGoogle Waveのようなツールを利用することにより、自社のチームやその業務、クライアントとの関係を管理しやすくなると考えている。
最大の賛辞を呈したのは、あるGoogleのライバル企業に勤めるソフトウェアエンジニアかもしれない。このソフトウェアエンジニアは、明白な理由により匿名を希望したが、「これは電子メールに大変革をもたらすだろう」と語った。
現時点でここまで言うのは大げさかもしれないが、モスコーンセンターのホールを埋めた開発者たちがGoogle Waveに興奮しているのは間違いない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。原文へ
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