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日立、2009年Q1決算は減収減益--グループ再編し総合電機からの転身図る

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 日立製作所の2009年度第1四半期連結決算(2009年4〜6月)は、売上高が前年同期比26%減の1兆8929億円、営業損益が505億円の赤字(前年同期は776億円の黒字)、当期純損益は826億円の赤字(同315億円の黒字)で、減収減益だった。

 前年度第3四半期以降の深刻な不況の影響が続いており、電力などの一部を除くほとんどの分野で減収となっている。

情報通信は、厳しいIT投資、大型案件の一巡などで売上減

 事業部門別では、情報通信システム部門で売上高が4716億円(前年同期比21%減)、営業利益が32億円(同86%減)と、前年同期を大きく下回っている。金融および産業分野でのIT投資が厳しい緊縮傾向にあることに加え、メガバンクのシステム統合や株券電子化といった大型案件が一巡し、ソフトウェア、ハードウェア、サービスともに売上が減少した。

 情報通信システム部門に含まれる、日立グローバルストレージテクノロジーズのHDD事業に関しては、PCの在庫調整が進展したことで需要が回復しており、むしろ「物量がなかなか対応できていない、お客様に迷惑をかけている」(三好氏)状況だという。同業他社と比較した場合、「収益性はまだまだ不十分だと思っている」(同)という認識で、SCMの強化などでキャッチアップしていきたい考えだ。

 電子デバイス部門は、売上高が1898億円(同33%減)、営業損益が71億円の赤字(前年同期は97億円の黒字)だった。液晶ディスプレイの需要が減退したほか、半導体および液晶製造装置や電子部品の製造販売を行う日立ハイテクノロジーズの業績が不振だった。新興国向け携帯電話用の液晶ディスプレイなどで需要は広がる傾向にあり、第2四半期は営業黒字に転換できる見込みとしている。

電力と都市開発は堅調も、自動車と建設で需要減

 電力・産業システム部門は、売上高が6571億円(同20%減)、営業損益が168億円の赤字(前年同期は262億円の黒字)。発電設備などの電力システムや都市開発関連は前年並みで堅調に推移したが、自動車や建設の需要減少の影響を受け、自動車機器や日立建機の建設機械事業で大幅な売上減。部門全体の業績が大きく落ち込んだ。電力・プラントではプロジェクト管理の強化徹底が進み、「損益的には前年同期に比べ改善している」(同社執行役 副社長 三好崇司氏)という。

 デジタルメディア・民生機器部門は、売上高が2412億円(同28%減)、営業損益が134億円の赤字(前年同期から4億円の改善)。空調関連が産業向けで苦戦しているほか、光学ドライブの需要減、海外で薄型テレビの販売チャネル絞り込みを行った影響などで収入減となった。

 高機能材料部門は売上高が2726億円(同40%減)、営業損益が25億円の赤字(前年同期は361億円の黒字)、物流およびサービス他部門は売上高が2130億円(同27%減)、営業利益が25億円(同35%減)、金融サービス部門は売上高が922億円(同増減0%)、営業利益が23億円(63%)だった。

今後は構造改革費用が減少、収益改善効果にも期待

 その他の各分野でも在庫調整が進んでおり生産は底を打ったものの、雇用や所得の状況が回復するのはまだ先と見ている。また、最終製品の需要が上向くまでには時間がかかると予想されるほか、円高が進行する恐れもあるとの認識。

 こうした背景から、日立は2009年度通期の業績予想を売上高8兆9000億円(前年同期比11%減)、営業利益300億円(同76%減)、当期純損益は2700億円の赤字と、前回の2008年度通期決算発表時から変更していない。

 ただし、これまで大きかった構造改革費用が今後減少し、収益改善効果が表れるため、2010年度の最終損益は黒字にできるとしている。また、自己資本比率が6月末時点で11.3%まで低下しているが、これについては「ここ数年のうちに20%を目指す。2011年度にはその展望が見えてくれば」(同社 執行役会長兼社長 川村隆氏)としている。

改革進め、総合電機からの転身図る

 既報の通り日立は、情報システム、プラント、電池を手がける上場子会社5社を完全子会社化するグループ再編施策を今年度中に実施する。

 社会インフラの構築に係る分野の強化で総合電機メーカーからの転身を図り、より高付加価値で高収益の事業に集中する。

社会イノベーション事業を軸に経営改革を図る(画像をクリックすると拡大します) 社会イノベーション事業を軸に経営改革を図る(画像をクリックすると拡大します)

 2008年度の売上のうち国内は59%、海外は41%だが、不況下でも中国などは相対的に高い成長を維持しているほか、欧米でも環境対応などの需要は大きく、海外での営業体制を強化している。内外の売上比率も今後逆転することを見込んでいる。

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