富士通研究所は7月6日、Symbian OSやWindows Mobile、Androidで共通して利用できるIP電話の基盤技術を開発したと発表した。携帯電話端末にIP電話機能を組み込みやすくなるという。
今回開発したのは、IP電話の音質を保障しながら、OSを含む携帯端末のプラットフォームの違いを吸収する「OS差異吸収モジュール」だ。Symbian OS、Windows Mobile 6、Androidの各OS上で、共通のIP電話ソフトが動作する。モジュールが共通化されることで、開発者の移植作業が大幅に減るという。同社によれば、こういった基盤技術の開発は世界初とのこと。
また、IP-PBXベンダーごとにSIP標準仕様との差異があることを受け、異なるIP-PBXとも接続できるようにする「機能差分追加機構」を導入した。これにより、差分の部分を開発するだけで複数のIP-PBXへ対応できるようになるとのことだ。IP電話機能だけでなく、SIPを用いたプレゼンス管理やインスタントメッセージング、暗号化通話機能なども追加できるとしている。
富士通研究所によれば、この新基盤を使うことで、IP電話ソフトを他の携帯端末プラットフォームへ移植する際、すべてを新規開発するときに比べて開発工程を10分の1程度に減らせるとのこと。これにより、携帯端末の利用者は1台の端末でいろいろなFMC(固定通信と移動体通信を融合した)サービスを利用できるようになるとしている。
今後は、2010年以降に商用化される高速無線通信「LTE」の端末や、FMCサービスと連携した他端末へライセンスする方針とのことだ。
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