音楽などの著作権侵害をめぐる訴訟に巻き込まれたファイル共有サイトのThe Pirate Bayが、スウェーデンのソフトウェア会社に買収される見込みだ。
Global Gaming Factory X(GGF)は現地時間6月30日、この買収契約を発表した。インターネットカフェ向けにデジタル配信ツールを提供するGGFは、総額776万ドル相当の現金および株式でThe Pirate Bayを買収する予定だ。買収手続きは2009年8月に完了するとみられる。
「BitTorrent」トラッキングサイトのThe Pirate Bayは、Warner Brothers、MGM、Columbia Picturesなどの大手著作権保有者との法廷闘争に巻き込まれている。2009年4月には、スウェーデンの裁判所で、同サイトの創設者らが著作権侵害で有罪判決を受け、400万ドル近い損害賠償金の支払いを命じられ、1年の禁固刑を言い渡された。被告らはこの判決を不服として上訴したが、2009年6月下旬に再審請求が却下された。
GGFの最高経営責任者(CEO)であるHans Pandeya氏は声明の中で、The Pirate Bayからダウンロードされたコンテンツの使用料を著作権保有者に支払うビジネスモデルを模索中だと述べた。
「The Pirate Bayは、世界でもっとも訪問者が多いサイトの上位100位に入っているサイトだ。だが、The Pirate Bayが存続するためには、コンテンツプロバイダとブロードバンド事業者、エンドユーザー、司法という全当事者の要件とニーズを満たす新しいビジネスモデルが必要だ。コンテンツの作成者と提供者は、コンテンツを管理して支払いを受ける必要があるし、ファイル共有者はダウンロードの高速化と質の向上を求めている」(Pandeya氏)
また、GGFは6月29日、1290万ドル相当の現金および株式で、PtoP配信とストレージソフトウェアを手がけるPeerialismを買収する予定だと発表した。Peerialismの技術は、The Pirate Bayのサイトに組み込まれる予定だ。
PeerialismのCEOであるJohan Ljungberg氏は、声明の中で次のように述べた。「Peerialismは新しいデータ配信技術を開発した。今後、最も有名なファイル共有サイトであるThe Pirate Bayにこの技術を導入することが可能になる。この技術は既存の(技術)と互換性があるので、すべての主要な利害関係者のために新たな価値を作り出すことを迅速に可能にし、新しいビジネスチャンスを促進するだろう」
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。原文へ
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