スウェーデンの裁判所は現地時間4月17日、注目を集めていたThe Pirate Bayに対する刑事訴訟で有罪の判決を下し、被告4人に禁固1年を言い渡した。被告らはまた、著作権者への損害賠償金として3000万スウェーデンクローナ(約360万ドル)の支払いを命じられた。著作権者の中には、米国の大手メディア企業が多数含まれている。
Peter Sunde被告、Gottfrid Svartholm Warg被告、Fredrik Neij被告、Carl Lundstrom被告の4人は、著作権で保護された33本のファイルを、The Pirate Bayのウェブサイトを介した違法なファイル共有で利用できるようにしたとして有罪の判決を受けた。
Tomas Norstrom判事は、ストックホルムの記者会見場から配信されたウェブキャストの中で、「この犯罪は、営利目的で組織的に実行された」と語った。
Warg被告とNeij被告はThe Pirate Bayの創設者だ。Sunde被告はプログラミングと広報を担当し、Lundstrom被告は2005年に同サイトに技術サービスを提供した。
The Pirate Bayは、訪問者数で世界最大規模のBitTorrentサイトで、ファイル共有に使用されるtorrentファイルを探すための検索エンジンを提供している。また、ファイル交換ユーザー同士を結び付ける「トラッカー」と呼ばれるサーバも提供している。
13日間の審理を経て、Norstrom判事と判事補、および3名の参審員(基本的に陪審員のようなものだが、米国の陪審員よりも権限が強い)は、ファイルの本体がThe Pirate Bayのサイト上に保存されているわけではないものの、有罪の評決に足る十分な証拠があると判断した。
刑事事件とともに提訴されていた民事訴訟の結果、4人の被告はメディア企業17社に対し、逸失利益の賠償金として360万ドルを支払うことになる。17社の中には、Warner Bros. Entertainment、MGM Pictures、Columbia Pictures Industries、Twentieth Century Fox Film、Sony BMG、Universal、EMI、Blizzard Entertainment、Sierra Entertainment、Activisionが含まれる。
各社に割り当てられる賠償金を比較すると、最も多いのはTwentieth Century Fox(130万ドル)で、続いてColumbia Pictures(50万4000ドル)、Warner Bros.(30万ドル)の順となっている。
4人の被告はすでに控訴する意思を表明しており、本件がスウェーデンの最高裁判所で審理されるまでに数年を要する可能性もある。
スウェーデンの通信社TTによると、Neij被告の弁護士であるJonas Nilsson氏は、「今のところは検察側の勝利だが、これはまだ第1ラウンドに過ぎない」と述べたという。スウェーデンの裁判において損害賠償金360万ドルは極端な額だ、とNilsson氏はTTに語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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