スウェーデンのファイル共有サイトThe Pirate Bayに対する刑事訴訟で、同国の検察は意外にも同サイトの運営者らに対する訴えの一部を取り下げた。
被告であるThe Pirate Bayの運営者らは、スウェーデンの法律では彼らのウェブサイトは合法だと主張してきた。一方、検察側は、著作権で保護された作品の違法配布を幇助した罪で彼らを提訴した。修正後の訴えでは、著作物を(違法に)入手可能な状態に置いた行為に焦点が置かれている。
しかし、これは、Frederik Neij氏、Gottfrid Svartholm Warg氏、 Peter Sunde Kolmsioppi氏、Carl Lundstorm氏の4人の被告に対する序盤戦における勝利を示している。彼らは、自分たちのサーバ上には著作権を侵害しているコンテンツは存在しないと主張してきた。The Pirate Bayは、訪問者をBitTorrentプトロコルを通じて入手可能なファイルへと導く検索エンジンの機能を果たしてきた。それらのファイルの多くは、ハリウッド映画、音楽ビデオ、市販ソフトウェアなどである。
スウェーデンのニュースサイトThe Localによると、被告側の弁護士を務めるPer Samuelsson氏は「非常に驚いている」と述べ、さらに「わずか1日半で訴訟の半分に勝利するというのは極めて異例だ。検察が昨日のわれわれの主張にひどく動揺したのは間違いない」と語ったという。
有罪となった場合、The Pirate Bayを運営する4人の被告には、2年以下の懲役と120万クローナ(14万3529ドル)の罰金が科される。世界の大手メディア企業で構成されるグループによる民事請求もまた、この訴訟で審理されている。原告のWarner Bros. Entertainment、MGM Pictures、Columbia Pictures Industries、Twentieth Century Fox Film、Sony BMG、Universal、EMIは、逸失売上に対する賠償金として1億2000万クローナ(1430万ドル)を要求している。
レコード業界を代表する国際レコード産業連盟(International Federation of the Phonographic Industry:IFPI)は声明で、今回の訴えの一部取り下げは、(民事訴訟には)ほとんど影響ないとしている。
音楽企業らの法律顧問を務めるPeter Danowsky氏は次のように述べている。「これは主に手法上の問題であり、われわれの損害賠償訴訟には何の変更もなく、The Pirate Bayに対する主な訴訟に何の影響もない。実のところ、今回の訴えの一部取り下げにより、検察側は、The Pirate Bayが著作権で保護された作品を入手可能な状態に置いたという主要な問題に焦点を当てられるようになり、主張が簡略化される」
TorrentFreak.comによると、そのほかに、検察のHakan Roswall氏がインターネットメールの機能について説明し、さらに2006年の捜索で押収したコンピュータハードウェアについて詳述したという。同訴訟は現地時間2月18日に再開され、19日に被告側弁護団に答弁の機会が与えられる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス