6月26日、日本においてもiPhone 3GSの発売が開始された。
オープニングセレモニーに登場したソフトバンクモバイル社長の孫正義氏は記者団の質問に応じ、iPhone 3GSの予約状況やAndroid端末への取り組みなどについて語った。
嬉しい。新製品がでるだけで鳥肌が立つというのは滅多にないこと。新しいライフスタイルを提供できる。感動だ。
すごい。われわれが当初予定していた以上のものだ。
新しいモバイルインターネットの革命が起きたということ。僕自身毎日使っているが、もう離せない。完全に生活の一部になっている。
日本のケータイとの比較というよりも、世界中のどの携帯電話と比較としてもiPhoneは完全に新しいトレンドをつくり、革命を起こした。世界中のメーカーが出している携帯電話がiPhone化してきている。これからますますそうなると思う。
たった1つの機種を出して、これほど業界全体にインパクトを与えた機種は業界でも初めてだと思うし、僕自身はノートパソコンを完全に持ち歩かなくなった。これは、携帯に対して影響を与えただけでなく、ノートPCの世界にも影響を与えた。
もともと僕はインターネット中心の時代からモバイル中心の時代に変わると5年ぐらい前から強く確信していて、そのときからVodafone Japanを買収する、あるいはまったく新しく自ら携電話帯の会社をスタートすることを心に誓っていた。
実はSteve Jobsに「携帯電話業界に参入したい。ぜひ、われわれがもし参入することに正式になったら、アップルのiPodとわれわれの携帯電話を融合したようなものをぜひ出してほしいんだ」ということを4〜5年前に言いに行っている。そのときに彼は、「そうか。お前もそう来たか。実は俺ももうすでにそう考えている」と話し、そのときからいろいろな話をしてきたので、とても嬉しい。
仕事の面でも、会社の業務用のメールやネットワークにつなぐことはセキュリティの問題などで、情報処理部門は慎重になっていた。今回のiPhone 3GSはiPhone OS 3.0も含めて、セキュリティがものすごく強化されている。
ロック&リモートワイプ(遠隔消去)で、iPhoneを落としたときでも遠隔的にロックしてワイプできる。その他さまざまなセキュリティ機能がついているので、会社の業務用のメール、MicrosoftのExchangeサーバなどにセキュアにつなげられる。
私もそうだが、完全に業務用のメールをシンクしてワイヤレスで見られるので、仕事がものすごくはかどる。会社でiPhoneを入れたところは、残業代が1人あたり月に8万円減っているというデータがある。月に8万円減るのであれば、会社から見て業務端末として社員に与えてもトータルコストとして合う。
個人で見ても、音楽、ビデオ、カメラ、といろいろなものを持ち歩くよりも、これ1台で済む。ノートパソコンもいらない、楽しみたいことを1台でできるとなれば、生活そのものが変わる。
学校にしても、学校に携帯電話を持ち込んではいけないという議論があるが、iPhoneは勉強そのものをはるかに助けてくれる。たとえば英語の発音を直してくれるソフトもあるし、自動翻訳もある。世界中の百科事典、ウィキペディアなどもあるし、学生の勉強ツールとしては最強のものなのではないかと思う。
普通の携帯電話はわからないが、iPhoneで見れば役に立つ部分のほうが多い。だから、学校に携帯電話を持ち込むなというのはちょっと危険なことではないかと思う。日本の学生が世界から取り残される。
ネガティブな部分を恐れて、交通事故が起こる可能性があるから、車社会はやめておこうみたいな。それは時代から完全に逆行する。自動車社会が来ることよってもたらされる、生産性や豊かさなどメリットの部分もある。
デメリットの部分に関してはフィルタリングなど技術的にも方法はある。特にiPhoneはバランスで考えるとメリットのほうが大きい。
右肩上がりで日を追うごとに尻上がりで増えてきている。そういう意味ではいいんじゃないかと。これからますます加速度感をもって広まっていくのではないかという予感がしている。
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