Microsoftの幹部らは米国時間6月12日、同社が「Windows 7」の設計で省電力性を重要な要素として位置づけ、エンドユーザー向けには電力管理機能の向上、ITプロ向けには集中型ツールに注力していると述べた。
Microsoftのエンジニア陣が目指したのは、旧バージョンのWindowsより電力管理機能にアクセスしやすくすることと同時に、設定をカスタマイズできるようにすることだった。
同社の幹部らによると、2009年10月に発売予定のWindows 7は、各コンポーネントに通電するタイミングに関して、従来より高度な制御を行うデフォルト設定になるという。たとえば、Bluetoothワイヤレスサービスは機器が接続されるまで通電されず、DVDドライブも従来に比べモーターを駆動する頻度が減る。
デフォルトで自動スリープモードに設定されていて、ノートPCのディスプレイは入力が途絶えてしばらくすると輝度が落ちる。エンドユーザーは、コントロールパネルを開くことなく、Windows 7のバッテリメータから電力管理設定を調整できる。
「バッテリ(のアイコン)にマウスオーバーするだけで情報が表示され、1回のクリックで設定を変更できるので、実に簡単な操作で望みのパフォーマンスを得られるようになっている」と、Microsoftで環境サステイナビリティ担当ディレクターを務めるFrancois Ajenstat氏は述べた。
Microsoftはまた、Windows 7のベータ段階でハードウェア企業のパートナー各社と協力している。PCがスリープモードに入るのを妨げるドライバの競合問題を解決する取り組みにおいて、Microsoftは電力関連のデータを共有する予定だ。
ITプロには、集中型の電力管理用に強化されたツール群が提供される。こうしたツールの1つであるコマンドラインプログラムは、ドライバの競合などの問題を突き止めることにより、特定のPCが効率良く動作していない理由を診断する。
「Windows Vista」には新たに30の省電力機能が追加されたが、その一部はWindows 7で強化される。たとえば、Windows 7には、Wi-Fi接続されたPCがスリープモードから起動してソフトウェアアップデートを入手できる「Wake On Wireless LAN」機能も搭載されている。
Windows 7のグループプロジェクトマネージャーであるJason Leznek氏は、「ユーザーが何も変更しなくていいように工夫したが、特定の用途がある場合には、グループポリシーを通じて変更できる」と述べた。
企業にとって、アクティブなPC電力管理による節約効果は大きい。Microsoftによると、数千台のPCを保有するContinental Airlinesの場合、Windows Vistaのツールを利用することで年間150万〜200万ドルを節約したという。
Microsoftは、PCの電力管理を行うサードパーティー企業のニーズは依然として存在すると予想する。たとえばVerdiemは、複数バージョンのWindowsに取り組みレポートを作成している、とLeznek氏は述べた。
Leznek氏とAjenstat氏は、Windows 7搭載PCの省電力機能には非常に多くの変動要素があるため、どれだけ効率性が向上するかについて具体的な数字は示さなかったが、大きな累積効果があると予想している。
「おそらくビジネスユーザーの70%は、さまざまな理由から夜もPCの電源を入れたままにしている。これは大変なエネルギーの無駄だ」(Ajenstat氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。原文へ
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