イラストコミュニティ台頭のきざし?

臼井俊介(ネットレイティングス アナリスト)2009年06月01日 12時20分
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 YouTube、ニコニコ動画を中心に盛り上がりを見せた日本の動画サイトが、テレビ局の参入やYahoo!動画と GyaOの統合により、更なる活性化が期待される中(PDF)、新たなCGMの波として今度はイラストコミュニティサイトが浮上してきた。

 2008年9月のメールマガジンでもお伝えしたが、イラストコミュニティサイトはその後も順調に利用者数を伸ばし続け、現在では参加ユーザー数が90万人を超えるサイトも登場した。そこで今回のコラムでは、現在最もホットな話題、イラストコミュニティサイトを取り上げる。

 まず最初に、イラストが投稿できる主要なコミュニティの利用状況をご紹介する。

サイト名(ドメイン)利用者数(千人)1人あたりの利用時間1人あたりの利用頻度
pixiv(pixiv.net)13420:39:573.84
pipa.jp(pipa.jp)4600:40:145.55
drawr(drawr.net)1150:16:013.59
Dream Tribe(dreamtribe.jp)500:00:331.37
こくばん.in(kokuban.in)350:16:401.74
Source:Nielsen Online NetView 2009年4月 家庭からのアクセス

 pixiv(ピクシブ)およびdrawr(ドロワー)はピクシブが運営するイラストコミュニティサイトで、共通のIDを使用できるが、イラストをアップロードするpixivに対し、drawrはflashを使ってイラストや日記を手描きで投稿するという違いがある。

 pipa.jpはpipa.jpが管理するドメインで、「手書きブログ」や「てちゃんねる(仮称)」などが含まれる。

 DreamTribe(ドリームトライブ)は小学館集英社プロダクションが運営するサイトで、投稿作品から優れた才能を発掘し、メジャーデビューにつなげる狙いもあるという。

 こくばん.inは、こくばんinが運営するサイトで、黒板にチョークで落書きをしていく形式で絵を投稿できる。

 これらのイラストコミュニティサイトの中でも特にピクシブの最近の伸びは著しく、2008年の10月からの半年で、月間利用者数が89万人増加しており、伸び率は295%となっていた。

週間利用者数(千人)ドメイン
サイト名(ドメイン)2008/102009/4伸び率%
pixiv(pixiv.net)4551342295
Source:Nielsen Online NetView 2008年10月、2009年4月 家庭からのアクセス

 イラストコミュニティを利用する人の属性としては、10代〜20代が中心であり、女性の利用者が多いことが特徴としてあげられる。特にpipa.jpにおいては、利用者の8割以上が女性であった。

利用者属性 2009年4月
ドメイン/性別利用状況利用者数(千人)
男性:女性
構成比(%)
男性:女性
pixiv(pixiv.net)686:65551:49
pipa.jp(pipa.jp)83:37718:82
drawr(drawr.net)46:6940:60
Source:Nielsen Online NetView 2009年4月 家庭からのアクセス
年代別/ドメイン別利用状況
ピクシブ(pixiv.net)
134万2000人
pipa.jp(pipa.jp)
46万人
drawr(drawr.net)
11万5000人
年齢利用者数(千人)/構成比(%)利用者数(千人)/構成比(%)利用者数(千人)/構成比(%)
16-19102/868/1514/12
20-24210/1686/1946/40
25-29171/1359/1316/14
30-34165/1228/65/4
35-39119/929/62/2
40-44145/1126/60/0
45-4976/634/78/7
50-5496/729/610/9
55-5940/316/46/5
60+67/50/00/0
Source:Nielsen Online NetView 2009年4月 家庭からのアクセス

 このようにイラストコミュニティサイトが拡大しつつある中、新たなクリエイティブ投稿型のコミュニティも広がりつつある。

 VOCALOIDで有名なクリプトンが運営するピアプロ(piapro.jp)は、イラストのみならず音楽も投稿でき、4月には22万人が利用していた。こちらも今後の成長が非常に楽しみなサイトである。

サイト名(ドメイン)利用者数(千人)1人あたりの利用時間1人あたりの利用頻度
ピアプロ(piapro.jp)2200:11:584.03
Source:Nielsen Online Netview 2009年4月 家庭からのアクセス

 動画を中心にインターネットユーザーに楽しまれてきたコンテンツ投稿型コミュニティサイト。ここに来てまた新たな展開を見せている。

 今後これらのサイトからどのようなムーブメントが生じるか、非常に楽しみである。

(ネットレイティングス アナリスト 臼井 俊介)

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