2月は、4月からの新年度を控え、学生や新社会人をはじめ、部屋探しに動き出す人々が多くなる時期であろう。そのような人々のなかには、インターネットで情報収集をしてから不動産屋を訪ねるといったパターンの方もいるのではないだろうか。
かくいう筆者も最近部屋探しを行ったが、各地域の相場を調べたり、賃料や間取りなどの希望条件を細かく指定した物件検索を行ったりと、インターネットを大いに活用した。また、いくつかの不動産屋を訪問した際には、物件の周辺をGoogleストリートビューで案内してくれる業者もいた。現地に足を運ばなくても物件の周辺環境が視覚的にわかるということに時代の変化を感じ、同時に部屋探しとインターネットとの親和性の高さが感じられた。
閑話休題。では、この時期の不動産関連サイトの利用状況はどのようになっていたのだろうか。不動産関連サイトの上位4社の利用者数を見たところ、昨年12月から右肩上がりで増加していた。
ブランド・チャネル名 | 08年11月 | 08年12月 | 09年1月 | 09年2月 | 概要 |
---|---|---|---|---|---|
Apamanshop | 787 | 1,058 (34%) | 1,399 (32%) | 1,836 (31%) | 賃貸物件検索サイト「アパマン」 |
HOME'S Estate | 1,231 | 1,070 (-13%) | 1,295 (21%) | 1,815 (40%) | 不動産総合情報サイト「HOME'S」 |
at home web | 851 | 722 (-15%) | 928 (29%) | 1,814 (95%) | 不動産総合情報サイト「アットホーム」 |
CHINTAI | 621 | 703 (13%) | 1,007 (43%) | 1,489 (48%) | 賃貸物件検索サイト「CHINTAI」 |
いずれのサイトも、2月に最も多くの利用者が訪れていることは共通だが、各サイトにおいて2008年11月からの利用者の増加傾向は若干異なっていることが伺える。
また、2009年2月の各サイト利用者において、流入元や利用者の多いページについても内容を確認したので下記に紹介する。
アパマンは賃貸物件検索サイトで184万人が利用。流入元を見ると、ちょびリッチ、予想ネットといったポイント系サイトが多かった。また、利用者数の多かったコンテンツのなかで特徴的だったのはキャンパスアパマンショップという学生向け物件検索ページであった。これは学校名を入力することで推奨物件の一覧を表示するもので、部屋探しに未だ不慣れな学生には便利だろう。
HOME'S Estateは不動産総合情報サイトで182万人が利用しており、流入元はGoogleやYahoo!などの検索エンジンの割合が多かった。また最も利用者が多かったのは、物件検索ページであった。物件検索ページに利用者が集まっていたのは今回の4サイトの中でHOME'S Estateのみだった。
アットホームはHOME'S Estate同様不動産総合情報サイトで181万人が利用していた。流入元はこちらもやはりGoogleやYahoo!などの検索エンジンの割合が多かったが、最も利用者が多かったページはトップページであった。
CHINTAIは賃貸物件検索サイトで149万人が利用していた。流入元で最も多かったのはYahoo!検索であったが、Point-box やげん玉といったポイント系サイトからの流入も多かった。なお、最も利用者が多かったページはトップページであった。
各サイトの年齢構成比にも特徴が見られる。
ブランド・チャネル名 | -19才 | 20-29才 | 30-39才 | 40-49才 | 50才- |
---|---|---|---|---|---|
Apamanshop(アパマン) | 1% | 16% | 31% | 31% | 21% |
HOME'S(HOME'S Estate) | 3% | 19% | 52% | 14% | 13% |
at home web(アットホーム) | 1% | 14% | 45% | 21% | 19% |
CHINTAI(CHINTAI) | 1% | 18% | 33% | 27% | 21% |
これを見ると、30代はそろそろ持ち家を検討する時期か、不動産総合情報サイトであるHOME'S Estate、アットホームを閲覧する割合がやや高くなっていた。
(ネットレイティングス アナリスト 山田嶺)
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