2009年初めに消費者家電メーカーに対して、可もなく不可もないというグリーン度評価を下した環境保護団体のGreenpeaceが、今度は大手IT企業を標的にしている。同団体は、IT企業が気候変動問題への対応に本腰を入れていないと見ているようだ。
Greenpeaceは米国時間5月27日、大手IT企業の成績表「Cool IT Challenge」を発表し、最高経営責任者(CEO)らに対して、気候変動への対応状況に対する評価を突きつけた。概して、Greenpeaceは大手IT企業に手厳しい評価をしている。
IBMのCEOを務めるSamuel Palmisano氏に対して、Greenpeaceは自社の削減目標値の公開、ITを利用して運送と公益事業をより効率化するイニシアチブ「Smarter Planet」などを評価し、比較的高い得点をつけた。一方でGreenpeaceは東芝に対し、排出量削減および再生可能エネルギーの利用の両方で改善の必要があるとして、100点満点中わずか2点という評価をしている。
GreenpeaceはSun Microsystemsに対して、消費電力効率のよいサーバの開発と全社レベルでの持続可能プログラムを評価し、好意的である。
全体としてGreenpeaceは、これら影響力のある企業の経営者が、温室効果ガス排出量の削減にあたって、自社での活動と政治家への働きかけの両方でもっと積極的な役割をとるべきだと述べている。
Greenpeace Internationalでキャンペーンを担当するCasey Harrell氏は声明で、「IT企業の多くは、自社のソフトウェアやハードウェアソリューションが実際にどのぐらい排出量を削減できるのか具体的な証拠を示すことよりも、『グリーンを進める』といったスローガンを大げさに語ることに終始している。これらIT企業は、よりスマートな運送、消費電力効率の改善、スマートグリッドなどの分野において、信頼できる指標に基づいた気候変動への対応事例を示す必要がある」と述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ
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