IDC Japanは5月14日、2008年の国内ワークステーション市場動向を発表した。上半期は過去最高の出荷台数を記録したが、下半期は大きく落ち込み、6年ぶりに縮小に転じた。ベンダーシェアでは日本HPがトップとなった。
2008年の国内ワークステーション市場出荷台数は前年比4.0%減の24万9000台、出荷金額は同10.4%減の581億円であった。出荷台数は、2002年以来6年ぶりに前年を下回った。
上半期の第1、第2四半期はそれぞれの四半期として過去最高の出荷台数を記録したが、下半期の第3、第4四半期が一転して出荷が落ち込んだ。景気後退により、第3四半期では中小企業を中心にワークステーションの購入を先延ばしする企業が増え、第4四半期はその影響が大手にも及んだ。
業種別にみると、好調だった上半期は製造業や金融業からの需要が旺盛であった。しかし下半期は、製造業からの需要は大きく減少し、金融業からの需要はほとんどなくなった。下半期はこれらの業種に変わり、景気にあまり左右されない医療、官公庁、教育などの需要が堅調であった。
ベンダーの動きが激しい1年でもあった。パーソナルワークステーション(PWS)分野ではレノボ・ジャパンがデスクトップワークステーションに参入し、逆に日本IBMはデスクトップワークステーション市場から撤退した。IBMの撤退によって、顧客層や販売方法が似ている日本HPがそのシェアを引き継ぎ、その結果、前年までシェア1位だったデルを抜いてトップに立った。
IDC Japanでは、国内ワークステーション市場における2008年から2013年までの年間平均成長率は2.2%となり、2013年の出荷台数は27万7000台になると予測している。2009年の出荷台数は2008年以上に落ち込むと予測され、ワークステーション需要が本格的に回復するのは2010年半ば以降になるとしている。
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