前回も書いたように、中国では今や文字の手書き入力ができるケータイはあたりまえになっている。どんなに性能がよいケータイであっても手書き非対応なら「文字が直接書けないの?だめじゃん」と言われてしまうくらいだ。なので日本の高機能ケータイを中国人にみせびらかしても「文字入力は手書き対応?スタイラスペンはどこ?」なんて突っ込まれる(かもしれない)ので注意しておこう。
中国では必須機能となりつつあるこの手書き文字入力機能だが、「本当にそうなの?やっぱりトンデモケータイだけの機能じゃないの?」と思われる方も多いだろう。たしかに中国で売られている海外メーカー勢のケータイを見ると文字入力は従来からの10キー方式が主流だ。ちなみに中国では海外メーカーの力が強く、中国メーカーのシェアはわずか3割前後にすぎない。ってことはやっぱり手書きケータイなんてのはマイナーな存在なのか?
いや、そうでもないのだよ諸君。中国でも最も売れているメーカーはNokiaだが、なんとそのNokiaが中国で「トンデモケータイっぽい」製品を発売しているのだ。すなわち大型ディスプレイを備え、メモやメールなどを書くときはスタイラスペンで画面上に文字を手書き入力できるのである。この製品は中国語圏向け限定発売だそうだ。これはすなわち、世界No.1のNokiaが中国トンデモケータイを無視できない存在と認識しているということの証明ではないだろうか?
ちなみにNokiaは中国向け専用製品をこれまでにもいくつか販売しており、それらの型番は数字4桁の末番が「8」で終わっている。これは中国人が数字の8を最も好むからだろう。今回紹介する「Nokiaの作った中国トンデモケータイ」の型番も「Nokia 6208c」と最後の数字が8になっている。なお最後の文字「c」はChinaではなくClassicの意味だそうだが、個人的には「中国のc」と思いたい。
Nokia 6208cの外観はストレート形状ながら、若干横幅がありディスプレイのサイズも大きめだ。スタイリッシュなデザインの多い同社の端末の中にあって、この6208cのスタイルは若干野暮ったいというか、精錬さにやや欠けているような気もしてしまう。むしろこれまで紹介してきた中国トンデモケータイっぽいデザインをしているように思えるのは筆者だけだろうか?
そんなことからもしかしてどこかのメーカーのOEM品?と思ってしまうが、内部のOSは同社のケータイ向けOS「Series40」を搭載しているし、製造も「Made by Nokia」とのことでNokiaがしっかりと作っているようだ。中国語圏向けということで、開発はNokiaの中国と思われる。
本体サイズは109.8x49.3x13.3mmと標準的、だが重量が120gもあり持ってみるとずっしりとしている。これは金属素材を多用しているからで、電池カバーはステンレス製である。さすがはNokia、高級な素材を使っているのだなぁ。
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