さらに広がる農業とインターネットの連携 - (page 2)

原田和英(アルカーナ)2009年04月20日 14時37分

 4月から全国農業会議所は、農地の買売や賃貸の仲介サイト「農地情報提供システム」を開始。貸したい・売りたい農地を持っている人はサイト上から登録できる。ざっと検索してみたところ5000以上の農地が登録され、契約済みになっているものもあるようだ。また各地の賃借料情報も参考に見ることができる。

 4月10日には、浜松市のIT企業シーエムエーが、農園体験ができるサイト「マイファーム静岡」をオープン。利用者は貸し出しされている農園を借りて、農業を始めることができる。また会員用のコミュニケーションサイトを用意しており、日記などが公開できる。またサイト上からは利用者それぞれの菜園の様子が確認できる。現地のスタッフからは「水が足りない」などといったアドバイスももらうことができるそうだ。農業に興味があるがノウハウがない人の第一歩として面白い試みだ。

 同じく4月に、札幌のメディア事業を手がけるレクモが農業関係者のためのコミュニティ「ボクらの農業」をオープン。農業に従事する人のためのコミュニティサイトで、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)のように人と繋がることができる。またコンテンツとして、日記やコミュニティを中心とした豊富な機能が用意されている。また、「教えて!ボク農」といったQ&Aコンテンツでは、農作物に関する質問だけでなく、「農業簿記」のといった財務の質問も聞くことができる。他にも農業関連商品のクチコミ情報も共有され、「糞尿処理・肥料散布」「鳥獣害対策」「作溝」といったカテゴリから商品のレビューを行うことが可能。

 このように農業のインターネット活用の動きはいくつかあるが、大きくわけて2つに分かれるようだ。1つはすでに農業に従事している人たちをサポートするサービス。コミュニティや売買サイト、レビュー、Q&Aサイトなどが該当する。もう1つは、農業に興味がある人のためのもので農作物の購入を促進するサイトや農業の賃貸、体験ができるサービスが該当する。これらのサイトはビジネスモデルも多様であり、今後の展開が興味深い。

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