1年前の4月、ほかに取り立てて動きのなかったAppleの世界は、南フロリダの小さな企業によって一変し、AppleとPsystarの間で現実世界における「クローン戦争」が始まった。
現在もPsystarに関する根本的な疑問は変わらない。Psystarは米国時間2008年4月14日からAppleの「Mac OS X Leopard」をプレインストールしたコンピュータを販売しているが、同社にその権利があるのだろうか。Psystarはその週、Appleの世界に衝撃を与えた。ジャーナリスト、ブロガー、マニア、中傷者たちの大群が、Psystarと同社のデスクトップPCに関連するありとあらゆるものに対して異常なまでの調査を開始した。
Psystarは2008年に、米国の中規模の町ならどこにでもあるような小さな独立系システムビルダーとして現れた。Macコミュニティーの関心と怒りを買ったのは、PsystarがMac OSに対するAppleのライセンスポリシーを無視して、「Windows Vista」やLinuxをインストールしたシステムとともに、Mac OSをプレインストールしたいわゆる「ホワイトボックス」システムを出荷すると決断したからだ。
Psystarは最近、同社のフラッグシップ機種である「Open Computer」をアップデートした。さらにPsystarの最高経営責任者(CEO)Rudy Pedraza氏は、これからもっと多くの機種が出ると断言する。
Pedraza氏はインタビューの中で、この1年間は非常に困難な時期だったことを認めたが、少なくともこれまでのところPsystarがAppleの代替品を提供できていることに満足していた。「(われわれの顧客は)ほかの方法ではAppleのコンピュータを買う余裕のない人々で、これをただ喜んでいる」(Pedraza氏)
Psystarが2周年を迎えられるかどうかは、Psystarが本社を置くフロリダ州ドーラルから遠く離れた北カリフォルニアにおける法廷闘争に大きくかかっている。丸1年が過ぎる中で、AppleとPsystarの間の訴訟は少しばかり小康状態にあるようだ。両社からの数カ月間にわたる訴訟および反対訴訟の後、弁護士たちはこの裁判の書類開示段階に専念している。
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