Open Computerはもちろん完ぺきではない。2008年4月以降にリリースされたLeopardのアップデートはすべてダウンロードできているが、「iTunes」や「iLife」などAppleのアプリケーションソフトウェアのアップデートは、Software Updateを通じていつもダウンロードおよびインストールできたわけではない。OSに何か問題が発生した場合は、2枚目のインストールCDを使った複雑なリストアプロセスを行う危険を冒さなくてはならないだろう。このCDにはおそらく、Leopardをインストールできる部分にAppleがかけた制限をPsystarが回避するために必要な魔法のファイルが含まれていると思われる。そして言うまでもないが、Open ComputerはIT部門が舞い上がってしまうようなものではない。
それでもなお、Open Computerはほかの点では筆者が自宅で使っている「MacBook Pro」とほぼ同等のMacエクスペリエンスを提供する。信頼性とサービスについては、PsystarはAppleに対抗することはできないかもしれないが、コンピュータに詳しい人々にとっては、Open ComputerはMacなのだ。
そしてこのことは、PsystarがAppleのエンドユーザーライセンス契約を覆すことができれば、ソフトウェア業界にとって大きな分岐点となるかもしれない。それは新たなMacクローン時代の到来を告げるとともに、Mac OSの人気はほぼ間違いなくこれまでにないほど高まるだろう。Appleにとって、最初のMacクローン時代はうまくいかなかった。そして、似たような問題が生じることは想像に難くない。それは、安定性と信頼性があるというMac OS Xに対する認識が、設計上意図されていないハードウェアとの相互動作を強いられた結果、薄れ始めるということが発生した場合だ。既にPearCのようなPsystarを模倣する企業が市場で挑戦を仕掛けようとしている。
Appleがそのようなことを心配しなければならなくなる前に、非常にたくさんの出来事が起こるはずだ。PsystarはAppleに対して明らかに勝ち目はなく、裁判は11月まで始まらない予定だ。
しかし、不可能を可能にする小さなMacクローンメーカーPsystarは先週2年目に突入し、Appleの鼻先でOpen Computerの販売を続けている。Psystarはあと何年もつだろうか。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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