就活生が本当に見ているもの--失敗しない「新卒サイト」の作り方とは?

奥井夏子(イー・エージェンシー インフォメーションアーキテクト)2009年04月16日 17時00分

 4月になり、街を歩くとフレッシュな新入社員の姿を見かけるようになりました。また、早い企業では翌々年度の採用活動について考える時期でもあります。

 さて今回は、新卒者向けの就職情報サイト(新卒サイト)を検証しました。被験者は、就職活動中の大学生5名(男女混合)です。学生たちが普段使っている「リクナビ」「マイナビ」サイト内で、どの要素が見られ、どの要素が見られないのかを、アイトラッキングツールを使って分析します。なお学生たちには調査の目的は明かされておらず、あくまで普段通りの情報収集をしてもらいました。

 今回の調査にて、被験者たちに共通するある傾向が見えてきました。次年度の新卒サイトを作る際にご参考いただければと思います。

新卒学生に「刺さる」写真

 他サイト同様、今回の調査においても、学生たちは画像に注目していました。以前、本コラムの中で「転職求人サイトにはどんな画像が適しているのか」という調査をしましたが、転職サイトに限らず、新卒サイトにおいても、サイト利用者が好む画像は「働いている社員の写真」でした。事後のインタビューにて、学生たちは「実際の職場の雰囲気を見たい」と答えていたので、入社後のイメージを可視化した写真は、彼らの惹かれる要素と言えるでしょう。

働く社員の写真が見られている 図1:オレンジの丸は視線が止まった場所を、線は視線の動きを、数字は視線が止まった順番を表す。丸が大きいほど、視線の滞留時間が長い。被験者は働く社員の写真を中心に視線を走らせている。文章は読まれておらず、経営者の写真も見られていない。

 図1は、学生D(男性)の視線の動きです。職場の写真を中心に視線を走らせ、すばやくこの会社の雰囲気をつかもうとしていることが分かります。その脇にある説明文に関しては、全く視線を落としていません。

 さらに注目したいのは、働く社員の写真(写真上段)は注視されていても、経営者の写真(写真下段)は見られていないということ。「経営者の写真はあまり見ない」――これは学生Dだけでなく、調査中のすべての学生に共通する傾向でした。

 新卒サイトで、経営者の写真を大きく取り上げているサイトも少なくありません。ただ新卒学生へのアピールを考えた場合には、どんな写真を使うかについて再考する必要がありそうです。

新卒サイトならではの“アピール写真”

 新卒サイトならではの画像に惹かれるケースもありました。図2は、学生C(男性)の視線の動きです。

採用説明会の写真をじっくりと見る被験者 図2:採用説明会の写真をじっくりと見る被験者

 この学生は、新卒説明会の写真を興味深そうに見ながら、「説明会でバイクに乗れるんだ」「説明会、私服でいいってことなんですね」と発言をしていました。

 採用説明会は、新卒採用ならではの大きなイベントになりますが、意外と説明会の写真を使っている新卒サイトは少ないようです(今回のテストでは24社中1社のみ)。採用説明会の写真を上手に利用することで、新卒学生に向けて有効なアピールができそうです。

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