就活生が本当に見ているもの--失敗しない「新卒サイト」の作り方とは? - (page 2)

奥井夏子(イー・エージェンシー インフォメーションアーキテクト)2009年04月16日 17時00分

意外と不人気?「先輩社員の声」

 学生たちが先輩社員の働く写真に惹かれる一方、新卒サイトでよく見かける「先輩社員の声」コンテンツを読みに行った学生は1人もいませんでした。人気のあるコンテンツと予想していただけに、これは意外な結果です。

 学生たちにインタビューをしてみると、

  • (今回のテストに関わらず)こういうコンテンツはほとんど見ない。「やらせ」のような気もするし……。セミナーに行けば、雰囲気で伝わる。
  • こういうことは、セミナーに行って肌で感じたい。むしろセミナーには、(先輩社員の声など知らずに)まっさらな状態で行きたい。
  • 大体が「なぜこの会社に入ったか」というような話になっているが、聞きたいのは、その人が入社してどんな経緯で現在の仕事をしているのかということ(例:最初は何の仕事をして、次にどこに異動して、何年目にリーダーになって、など)。

などの声が聞かれました。

 なお、図3で、先輩社員の声を注視した学生Cにインタビューをしたところ、「企画立案という文章」に惹かれたと答えています。ただしこれ以外の、先輩社員のインタビューには注意を払っていません。

先輩社員のインタビュー 図3:「企画立案」という文言に惹かれ、先輩社員にインタビューのうちの1つを注視している。ただし、残りの2つは全く見ていない

 先輩社員の声は決して悪いコンテンツではありません。ただせっかく作ったコンテンツを新卒学生に読んでもらうには、コンテンツの内容や、そこへ誘導するためのリード文に注意を払う必要があります。

「新入社員がすぐに活躍できる場が欲しい」

 今回の調査の中で、どの学生からもよく聞かれた言葉というのが、「入社してすぐに自分が活躍できそうな職場がいい」というものです。

 自分が活躍できそうな場とはどういうことか、とたずねると、「新卒でも面白そうな仕事ができる」「新卒でもクリエイティブな仕事を任される」などという答えが返ってきました。学生たちは、「徐々に仕事を覚えて、いずれは……」というよりも、「早い段階から会社の中核を担う仕事をしたい」という気持ちが強いようです。

 図4は、学生A(男性)の視線の動きになります。会社概要を表すリード文に引っかかった視線が、ロゴやその下の写真へ流れていることが分かります。

会社概要 図4:会社概要、ロゴ、写真がまんべんなく見られている

 この企業の会社概要(リード文)では、「世界中の若者」「若い気持ち」など、新卒学生が求められる場があることを端的に表現しています。被験者の学生も「企業のメッセージが良かった」と答えていました。

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