テレビコマーシャルなど、積極的に投下した広告宣伝費を軽く吸収しての業績拡大となっている。今回の再増額修正に企業分析のプロも脱帽。日興シティ証券などは会員数と1会員あたり売上の同時拡大を「ポジティブサプライズ」とコメントしている。
株式公開時、圧倒的な業績成長率を掲げるグリーの強気な価格設定に対し、いぶかしく見る向きは「この数字がピーク。来期以降の成長継続は期待しづらい」としていた。同じSNS運営のミクシィやディー・エヌ・エーの業績成長に陰りが見え始めていたことも、この弱気論の背景だった。今回の再増額修正は、この弱気論も一気にはねのけた格好だ。
グリー株に漂っていた不安のほとんどを一掃した格好だが、4月13日の株価は上値が重く、業績面と相反する動きとなった。
現在、東京株式市場は日経平均株価が一時9000円を回復するなど、戻り歩調を続けている。これまで、こういった戻り相場で小型株は軽快な戻りを示すケースが多かった。値動きの派手なネット株が多い東証マザーズ指数はその先導役となることがよくみられていた。しかし、今回は日経平均株価に対し、東証マザーズ指数の戻りの鈍さが目立っている。
グリー株の4月13日の動きも、現在の株式市場の傾向が出てしまった形。新興市場が蚊帳の外となっている戻り相場が続く限り、業績絶好調のグリー株も鈍い動きが続きそうだ。
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