パーソナルコンピュータを利用したことのある人は皆、Windowsを使ったことがあると言ってもいいくらいだ。つまり地球上のほぼすべてのコンピュータユーザーがWindowsとの関係を築いてきたということだ。現在のこうした関係の大部分は、まだ「Windows 95」と「Windows XP」が中心になっている。この2つのOSは役割を果たしたが、同時に大規模なセキュリティの脅威、ソフトウェアエンジニアの専門用語、さらにコンピュータを終了させるために「スタート」ボタンを押すというコンセプトまで世に送り出した。
Appleは、お世辞満載のMac対PCキャンペーンでこの点をうまく突いてきた。この広告は、MacがWindowsよりも優れたコンピューティングエクスペリエンスであるというだけでなく、より格好がいいものとして位置付けた。
Microsoftは基本的にはこの点で負けを認めている。ほかの人も指摘しているように、Microsoftを買う人は、最新のシリーズ広告の中で「Finder」対「Windows Explorer」の相対的なメリットについては全く考えていない。その代わりに、さまざまなノートブックの間でハードウェア同士の価格を比較することに完全に集中している。
だがMicrosoftはソフトウェア企業だ。そしてユーザーがコンピュータとの長きにわたる関係を築く場所はハードウェアでなくソフトウェアだ。
Microsoftは地球上でまだ生み出されたことのないほど、最も優勢なコンシューマーソフトウェア企業かもしれないが、同社の現在の広告キャンペーンでは、Mac対PCキャンペーンによってWindowsブランドが受けたダメージを修復することは何1つしていない。Microsoftのキャンペーンは、時期的には正しいと言える。Microsoftは「Windows Vista」を販売しようとすることを(賢明にも)ほぼあきらめており、「Windows 7」はまだ準備ができておらず、また分別のある人間は2008年に比べて自分のお金の管理にもっと厳しくなっているからだ。
しかしWindows 7の準備ができたとき、Microsoftは少しばかりジレンマを感じることになるだろう。Macよりも優れたエクスペリエンスとしてWindowsを売るのは(本当にそうであったとしても)難しいということに気付くかもしれない。なぜならMicrosoftは、Windows PCは格安品だと人々を説得するのに非常に多くの時間と金額を費やしてきたからだ。
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