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不況時代に適した費用対効果重視型ウェブサイトリニューアル手法 - (page 3)

土井博貴(ビービット)2009年04月02日 08時00分
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 ユーザー行動とその背景にある心理を深堀した結果、「ユーザーは、シミュレーションの結果をもとに具体的な数値で判断したいというニーズを強く持っている。そのため、シミュレーションでは月額料金などの申込条件を微妙に変えて検索を繰り返そうとするが、現在のページでは条件の部分変更ができず一回一回全ての条件を最初から入力する必要があるため、ユーザーは面倒と感じ、諦めて離脱してしまっているのではないか」というシナリオ仮説が成り立ちました。

 実際に再度確認したユーザー行動観察調査やアクセス解析からも裏づけが取れ、シミュレーションページを改善することがシナリオのゴール達成、つまりコンバージョン向上に大きく貢献することがわかりました。改善に必要なコストと投資可能なコストとを見合わせ、リニューアル範囲を最終的に「トップページの一部」「がん保険Aの商品トップページ」「シミュレーションページ」と設定しました。

メリットとデメリット

 このシナリオベースリニューアル手法では、リニューアル対象範囲を定義するにあたりユーザーニーズとビジネスゴール(コンバージョン)に向けたシナリオを考慮します。この作業により、実際の画面設計・コンテンツ作成などの後続作業や、ウェブサイト外からの集客施策検討も効果的・効率的に行うことができます。

 さらに、一般的な部分リニューアルですと「費用も抑えられるが成果も限定的(もしくは部分的なため成果に直結しない)」になってしまうケースもあります。しかし、本手法は費用を抑えることが目的ではなく、ユーザーの行動に注目し、改善による効果が大きく見込まれる部分にフォーカスすることが目的のため、「費用を抑えつつも成果に結びつくリニューアル」を達成できるのです。

 一方、あくまでウェブサイトの部分的なリニューアルのため、現在の枠組みによる思考・実装の制約を受けることに注意が必要です。コンテンツの統廃合・新規製作する場合(既存シナリオを大幅に変更する場合)や、ウェブサイトの構造やデザイン・コーディングスタイルの大幅な変更には不向きな手法であることに注意が必要です。

シナリオ検討はウェブサイトリニューアルにおける必須プロセス

 今回のコラムでは、ウェブサイトの全面リニューアルが予算制約から実施できない状況での代替策としてシナリオベースリニューアル手法について解説を行いました。

 しかしながら、本手法は全面・一部というリニューアル対象範囲に関わらず本来すべてのウェブサイト製作フローにおいて必須のプロセスです。ユーザー中心アプローチはコストをかけたユーザー満足度向上のための取り組みではなく、費用対効果の高い優れたマーケティング手法なのです。

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