英国のプライバシー擁護団体Privacy Internationalは、同国でGoogleが提供開始した「Street View」について英国当局に対し正式に苦情を申し立てた。
BBC Newsの報道によると、同団体のディレクターSimon Davies氏は、Street Viewが英国の多くの住民に対して「明らかな困惑と損害」を引き起こしていると主張しているという。「Google Maps」の機能で、先週英国でも導入されたStreet Viewは自動車から撮影した街の画像を見ることができ、そこには店先や歩行者などが写っている。
申し立てが提出された情報コミッショナー事務局(ICO)は訴えの受理は認めたが詳細は明らかにしなかった。Privacy Internationalは取材に対し即答しなかった。
BBC Newsの報道によると、Davies氏は、英国政府が問題を調査する間、Street Viewは「停止」されるべきだと述べた。Privacy Internationalは、Street Viewで個人が特定される事例を200件以上挙げているとされる。
ICOはStreet Viewが英国で開始される前にGoogleと話し合い、同社が十分な保護措置の実施を確約したと述べた。また、ICOは声明を発表し、次のように呼びかけた。
車両のナンバープレートや人の顔については、Googleの責任で十分にぼかし処理をすることになっている。画像に写っているのが自分であることがわかると思う人(そしてこれが不満な人)は、画像を削除するようGoogleに直接通知してほしい。自分が写っている画像についてGoogleに苦情を伝えたが満足のいく対応がなかったと思う場合には、ICOに訴えることができる。
Googleの最高経営責任者(CEO)Eric Schmidt氏はBBC Newsに対して、同社はプライバシーの懸念に同意すると述べた。Schmidt氏はBBC Newsの報道で「当社としては、指摘があれば削除するという方式で対応している。文字通り、当社が撮影したもので不適切なものがあれば、何であれ削除する」と述べ、「できる限り速やかに対応する」と続けた。
Googleは2月、ピッツバーグ在住の夫婦からStreet Viewによりプライバシーを侵害されたとして訴えを起こされた訴訟に勝利している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス