休日にタスマニア島のバイクツーリングを一緒に計画していた、オーストラリア在住のBillさんの友人が、突然亡くなった。Billさんは深い悲しみに暮れ、外で痛飲してしまう。
その後、タクシーが彼を自宅の前まで送り届けてくれたが、泥酔していた彼は、玄関にたどり着く前に倒れて寝込んでしまった。
寝込んでいる間にGoogleのStreetView撮影用のカメラを積んだ車が通りすぎた。オーストラリア版は8月4日のサービス開始が予定されていたため、Googleの撮影担当者は大忙しだった。
そしてついに、担当者は足を道路に向け倒れていたBillさんを撮影してしまう。
これはひき逃げならぬ、撮り逃げといえる。
運転手は車を止めて、Billさんが大丈夫かどうか確かめなかった。車道に出ているBillさんの足を戻そうともしていない。彼の死体のような姿は面白く思えたのだろう、まるでパパラッチのように。
あわれなBillさんの画像は、初回のオーストラリア版のStreetViewに掲載されてしまう。
泥酔の痴態画像と同様に、苗字を伏せることを望むとしているBillさんは、事態に対して楽観的だ。ニューヨークのストリップクラブで泥酔したオーストラリアのKevin Rudd首相の「どんな誠実な人間だって、間違うことはある」という発言を彷彿とさせる。
亡くなった友人について、Billさんは、「もし私が死んだら友人がどうするかはわかるよ。彼も酒を呑んだだろう。私だったら彼にも同じように酔いつぶれてほしかったと思うだろう。だから自分もそうしたんだ」と言う。
しかし、彼は「誰かが私の姿を車からビデオカメラで撮影していたなんて思いもしなかったよ」と付け加える。
人助けという善い行いをしなかった運転手は誰だったのか?彼は冷血なロボットのような人物なのか?どんな指示をもらっていたのか? なぜ彼は助けなかったのだろうか。せめて、サービスを開始する前にGoogleの社員は倒れているBillさんの姿に気づかなかったのか?これはそんな疑問が残ってしまう1件であった(Googleはこの話が世論の注目を集めたことを受けて、この画像を削除している)。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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