シスコ、「Flip Video」メーカーのPure Digitalを買収

文:Marguerite Reardon(CNET News.com) 翻訳校正:中村智恵子、高森郁哉2009年03月23日 11時00分

 インターネット用スイッチおよびルータの世界最大メーカーであるCisco Systemsが、家電市場でも大手企業となることを目指して新たな一歩を踏み出した。

 Ciscoは米国時間3月19日、人気の小型ビデオカメラ「Flip Video」を製造するPure Digital Technologiesを買収すると発表した。Ciscoの声明によると、同社は株式交換により約5億9000万ドルで買収し、Pure Digitalにとどまる従業員に約1500万ドル相当の株式優遇措置も提供するという。

 Pure Digitalは2007年5月、操作が簡単な小型ビデオカメラの販売を開始した。トランプ1組よりも少し大きくUSB接続端子を内蔵するFlip Videoの設計意図は、動画を撮影し、インターネット上に手軽にアップロードするというものだ。特に、人気の高い動画共有サイトであるYouTubeやMySpaceなどへの投稿が想定されていた。

 Flip Videoの価格帯は機種により100〜229ドルで、内蔵メモリには最大で30分か60分の動画が保存できる。また、統合ソフトウェアにより、デバイスからPCやMacへの動画の転送も簡単に行える。製品ラインは拡充し、現在では小型の高解像度カメラ「Flip MinoHD」も加わっている。Pure Digitalは、発売から総計200万台以上のFlip Videoを販売したと述べている。

 Ciscoは、家電市場への足がかりを固めるため、現在まで数年にわたって準備してきた。2003年には家庭用ルータを手がけるLinksysを約5億ドルで買収した。2005年にはScientific Atlantaを買収し、この企業のセットトップボックスはケーブル通信業者との提携を通じて一般家庭に販売されてきた。さらにCiscoは2009年1月、家庭用オーディオの新製品と、家庭でのデジタルメディアの保存と管理を担うメディアセンターを発表し、消費者に向けた戦略を鮮明にした。

 しかし、Pure Digitalを買収する前のCiscoは、家庭向けには主にネットワーキング製品を提供してきた。もっと簡単に言えば、同社は、家庭のさまざまな製品の間をIPネットワークで接続する製品に注力してきたのだ。だが今回、Pure Digitalを買収したことで、Ciscoが超競争的で変化の激しい家電市場に本気で取り組むことは間違いないだろう。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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