NVIDIAは米国時間3月10日、高性能ビジュアルコンピューティング分野にグラフィックスプロセッサを活用する企業を支援し、早期の出資を進めるプロジェクト「GPU Ventures Program」を立ち上げた。
NVIDIAは、これまで何年にも渡って、すでに実行してきたプロセスを確立する目的で、GPU Ventures Programの設立に至ったと、同社事業開発部門バイスプレジデントのJeff Herbst氏は、電話でのインタビューで語っている。Herbst氏は、7年半に及ぶ期間、NVIDIAの戦略的提携分野で活躍してきた人物である。
Herbst氏は「GPUを中心とした事業の立ち上げを目指している企業に、われわれは注目している。その事業には、3Dを用いたGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)や、われわれが当初は出資していたGoogle Earth、仮想世界、ゲーム、人工知能、物理学などの幅広い分野が含まれる」と述べた(Google Earthは、元々はNVIDIAが出資していた、Keyholeという企業によって開発が進められていた)。
「また、ビジュアルコンピューティングとは何ら関係がない、石油や天然ガス探査事業などの分野にGPUを活用するといった企業に対しても、サポートが提供される。膨大な量の地震に関連したデータを分析し、天然資源の発掘に役立てることが行われている。以前は何カ月もかかっていた作業が、数日、数時間、数分の単位で成し遂げられるようになってきている」(Herbst氏)
GPU Ventures Programの出資額は、50万ドルのローエンドレンジから、500万ドルのハイエンドレンジに至るまで、多岐に及んでいると、Herbst氏は語った。
10日のGPU Ventures Program設立の発表に先立ち、すでにNVIDIAは、起業家、ベンチャー投資家、投資金融業者などをターゲットにした「Emerging Companies Summit」を、2008年夏に開催している。Emerging Companies Summitは、Cooley Godward Kronish、Morgan Stanley、RR Donnelleyなども後援した。
これまでにNVIDIAが出資を手がけた例として、Herbst氏は、Google Earthに加えて、現在はNVIDIAの傘下にある、「PhysX」技術を開発したAgeiaや、異なるフォーマットに動画を変換する「Badaboom Media Converter」を開発したElemental Technologiesが挙げられると述べた。
さらなる過去の出資例としては、エンターテインメントおよびコンピュータ支援デザイン業界向けの、レンダリングおよび3Dモデリング技術を提供するMental Images(現在はNVIDIAの全額出資子会社)や、動画クオリティを高めるソフトウェアを提供するMotionDSPなどが挙げられている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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