市場調査会社In-Statが、第4世代(4G)携帯電話の規格に関する調査レポートを発表した。それによると、WiMAXが最終的に競争に勝って4G通信規格として選ばれる可能性は低いが、市場で有利なスタートを切り、有線ブロードバンドの代替として早い時期にある程度の成功を収めることはできるという。
In-Statは米国時間2月25日に発表したレポートの中で、WiMAXが競合する4G技術であるLong Term Evolution(LTE)に先んじる模様だと伝えた。だが、2009年内に予定されているLTE対応機器の発売以降は、状況が一変する可能性があるという。またWiMAXベンダーは、有線ブロードバンドの導入が不可能、あるいはコストが高すぎる地域で、これに変わる固定無線ブロードバンドネットワークを構築する方が、より強固な市場を築ける可能性があるとのことだ。
世界中の携帯電話事業者が、3Gネットワークから次世代の4G無線ネットワークへと、自らのネットワークをアップグレードするプロセスに入りつつある。WiMAXとLTEは、いずれも直交波周波数分割多重(OFDM)と呼ばれる変調技術をベースにしており、新しい4Gネットワークの基盤を構成する2つの有力候補と目されている。
現在新技術に賭けている機器メーカーおよびモバイル通信事業者において、4G通信規格の標準化をめぐる競争が、この2つの技術の間で始まっているようだ。
WiMAXは、世界各地で固定無線ブロードバンドサービスを提供する複数の通信事業者に採用されており、この点では先行している。だが、これまでのところ、WiMAXはモバイル技術としては出遅れている。米国でWiMAXを利用して全米規模のネットワークを構築している大手通信事業者はClearwire1社だけだ。Clearwireは2008年にSprint Nextelと手を組み、Google、Intel、Time Warner Cable、Comcastからネットワークの構築資金を得た。
一方、LTE技術は実地導入においてはかなり後れを取っている。ネットワーク機器ベンダーやチップメーカーによると、少なくとも2009年末まで商用製品は発売されないという。したがって、WiMAXはかなり有利なスタートを切れそうに見える。
一部のケースでは、実際にそうなりそうだ。In-Statも、WiMAXの市場は当初、LTEよりもかなり速いペースで成長すると予想している。だが、通信事業者は、DSLのような固定ブロードバンドサービスを提供できない地域で、WiMAXを利用して固定無線ブロードバンドサービスを展開する可能性が高い。
LTEはすでに、世界でも最大級の電話会社のいくつかから支持を受けている。世界最大手の携帯電話事業者のVodafoneや米国最大手のモバイル通信事業者Verizon Wirelessは、LTEを利用して次世代携帯電話ネットワークを構築する計画を立てている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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