各種文書の作成において、iWorkは十分実用レベルにあると感じました。しかし、それはあくまで作成する文書を編集するのが自分1人もしくは編集する人が全員iWorkを使用する環境にある場合のみかもしれません。OfficeとiWorkが混在する場合は、変換ができるからといってもやはりレイアウト崩れが起こる可能性が高いため、あえて1人だけiWorkを使用するというのはあまりメリットがありません。
実際にMacbookにWindows版Office、Mac版Office、Mac iWorkを入れていますが、人が作った文書を編集する場合や自分の作った文書を他の人が編集する場合にはWindows版Officeを使用しております。社内で使用する文書ではPDF変換しないですし、随時更新していくような文書が多いため、iWorkで作成した文書を他全員がWindows版Officeで閲覧すると考えると毎回保存後に自分で開き直して確認しなければ不安です。それではやはりメリットがありません。
新プロジェクトが開始する際や、会社設立時に一括で購入するのでしたら、価格面から見ても大変魅力的な製品であることは間違いないかもしれません。教育コストが若干かかる可能性はありますが、VBAもばりばり使いこなす上級者でなければそれほど違和感なく、スムーズに移行できるかと思います。
私も次回プロジェクト開始時には、選択肢の1つに入れてみたいと思います。
iLifeを使ってみる
iLifeとは、エンターテインメント関係の以下4つのソフトで構成されています。
どのソフトも初心者にも簡単に使えるよう開発されていて、いさぎよい機能カットで簡易操作を実現しているような感じです。各ソフトの機能については公式サイトに詳しく載っていますので、こちらのレポートでは実際に使ってみた上で気に入った点や、気になった点のみを書いてみたいと思います。
まず全体の感想ですが8800円でこれだけのソフトが同梱されている事を考えると大変お買い得かと思います。別途費用がかかってしまいますが、MobileMeというAppleのオンラインサービスに契約する事で、写真や動画、ホームページを簡単に公開することもできます。
たとえば友達とバーベキューにいって、写真や動画を撮った際に、iPhoto、iMovieで編集し、iWebでホームページ作成、MobileMeで公開!といった事が専門知識がなくても非常に簡単にできそうです。MobileMeを利用しない場合でも、ソフトから1クリックでFTPアップロードができます。
iMovieに関しては、今まで使っていた動画編集ソフトに比べて動作は軽い印象を受けます。ドラッグ&ドロップして動画を取り込み、用意されたテーマを使用すればあっとゆうまにショートムービーの完成です。こんな簡単な操作で編集できてしまうにもかかわらずでき上がった動画のクオリティは結構高い点が優れています。
iWebに関して、まずは28種類のデザインテーマから好みの物を選びます。
あとは普通に文章を入力したり、画像や動画をドラッグしていくだけでホームページが完成します。
複数のページを作成した場合でも、各ページは自動的にリンクが追加されるのも便利です。ページが完成したら画面左下の「サイトを公開」ボタンを押すだけで、インターネットに公開できます。素敵なテンプレートを使い、ちょっとの修正でHTMLが完成するので、本当にウェブページを作った事がない方でも作成できるかと思います。ちょっと専門的な話ですが、作成されたHTMLについてもCSSレイアウトを使ったもので、Microsoft Word等で作った際に生成される特殊な物ではないのも使いやすいです。
作曲・録音が行える「GarageBand」については、どういった方に有用かなとちょっと疑問に思ってしまいます。
私も若い頃バンド活動をしていたのですが、作曲やレコーディングを行う際にはPCに専用機材をつないだり、より詳細に制作が行えるソフトを購入していました。GarageBandを利用すれば確かにマルチトラックの録音ができるのですが、MIDI連携や出力面で弱いかと思います。「ちょっと録音してみたい」程度の用途でしたらマルチトラックである必要もないですし、本格的にやるには物足りない、という感じでしょうか。なんとなくおまけソフト的に感じてしまいました。
iWork、iLifeレポートをさせていただきましたが、どちらのソフトも価格面でも大変魅力的で、個人利用では大変有用かと思います。これから初めてパソコンの購入を考えているような方にでしたらお勧めしたいです。すでに同等のソフトを使用している場合、公式サイトにでている機能に魅力を感じるかという点と、今のソフトで使えていた機能がなくなって困らない物かをよく調べてみる必要があるかと思います。
全ソフトともにプロユースというより本当に誰にでも簡単に文書作成、画像・動画編集、ホームページ作成が行える操作性と、優れたテンプレートの数々という点を高く評価します。
次回はいよいよ最終回です。「Macをビジネスでどう使えるか」のまとめをお届けします。
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