Googleは米国時間2月24日、これまで無料で提供していた「Google App Engine」の有料版サービスを開始した。これにより、ユーザーがクラウドコンピューティングの基盤を存分に活用できるようになるとともに、App Engineがさらなる成長に向けて前進することになる。
App Engineは2008年4月の立ち上げ以来、無料サービスのみで提供され、コンピューティングとネットワークのリソース使用量に制限が設けられていた。トラフィックが少なめのサイトは今まで通り無料サービスを利用できるが、今回Googleが有料サービスを追加したことで、ユーザーは必要に応じて料金を払い、より多くのアクセスに対処することが可能になる。
App Engine製品担当マネージャーのPete Koomen氏は、「これは、開発者から出ていた要請の中でも、最大級の1つになっていた」と述べた。
ちょっとした試用ではなく、サイト上で本格的なアプリケーションを動作させたいと考える人にとって、App Engineは、有料版が追加されたことで実用的になっている。ただしそれは、ユーザーたちが喜んで料金を払い、「プレビューリリース」という状態が続くことに我慢できる場合に限られる。同サービスは「ベータ」段階にさえ達しておらず、サービスが長時間にわたりダウンした場合に料金の払い戻しを保証するサービスレベル合意書(SLA)まではほど遠い状況だ。
Googleは、オンラインツール「Google Apps」でSLAを提供している。Google App Engineに関しては、「現在検討している事項だ」と、同社の広報担当者Jon Murchinson氏は述べた。
App Engineは、Amazon.comによるウェブサービスコンポーネントの下位版スイートなど、他社のさまざまなクラウドコンピューティングの取り組みと競合するが、多くの場合、ユーザーの自前の設備でアプリケーションをホストするという選択肢を用意している。Amazon.comのウェブサービスはまた、Pay-as-you-go式(従量制)の課金体系を適用している。
Googleは、App Engineの課金体系を次のように説明している。
Koomen氏はこの件についてコメントを避けている。したがって、Googleが経営引き締めという新時代を迎える中、ユーザーを引き付けるため価格を低く抑えているのか、経費を賄うため中間に設定しているのか、あるいは利益を生み出すため高く設定しているのかは、各自で判断するしかないだろう。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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