AOLが、2008年に買収したソーシャルネットワークBeboの改良を続けている。同じ年に買収したソーシャルデータアグリゲータSocialthing!の機能を次々とBeboに追加しているのだ。
2008年12月には、「Social Inbox」という新機能がBeboに加えられている。これは、他のソーシャルサービスを利用している友人が更新した情報を収集して、Beboユーザーのホームページに表示するというものだ。また、Beboユーザーの外部サイトから収集したすべてのデータを一括表示して、Beboの友人が見られるようにする「Lifestream」という新機能も加えられている。この機能は、FriendFeedのソーシャルネットワークアグリゲーション機能を思い起こさせるものだ。
だが、AOLは米国時間2月23日、Beboのサービスに対してさらにいくつかの機能強化を実施することを発表した。ただし、すべての新機能がすぐに利用できるようになるわけではない。
「Lifestory」は、今回の新機能の中で最も華やかなものだ。Lifestoryを利用すると、Beboの写真とイベントが収集され、アルバムの形で時系列にまとめて表示される。つまり、日々の生活の営みがしゃれたウィジェットになるというわけだ。
また、これまでよりやや細かいプライバシー制御ができる「Social Slider」という機能が追加される。Social Sliderを利用すると、必要に応じて、Beboのすべての要素に友人、家族、自分の「仲間」というタグを付けることができる。これはユニークとまでは言えないが、うれしい機能だ。もっとも、この3段階の制御機能に付けられた「Slider」(スライダー)という名前は、少々誤解を招きかねない。この機能は、受信メッセージをフィルタリングして、親しい人だけのメッセージを受信するのにも利用できる。
さらに、Beboに元から備わっているインスタントメッセンジャーとAOLの「AOL Instant Messenger(AIM)」が統合され、BeboのユーザーがAIMのユーザーとコミュニケーションできるようになる。AIMのユーザーも、AIMよりややリッチなBeboのプロフィールをまもなく表示できるようになる。その上、AOLは新しいインスタントメッセンジャー体験を提供することも表明している。報道関係者に送られたリリースには、「第2四半期にはさらに一歩前進し、AIMユーザーに対して、リアルタイムですべての親しい人とコミュニケーションしたり、すべての関心事を追跡したりできる、まったく新しい体験を提供する」と書かれている。同社はおそらく、Meeboを競争相手として考えているのだろう。あるいは、やがて耳にすることになるような買収案件が何かあるのかもしれない(断わっておくが、これは単なる私の憶測だ)。
Beboにはさらに「Stories」という機能も追加される。これはおそらく、イベント情報などに特化したグループブログのようなものだろう。だが、AOLはこの機能について、3月に公開することを表明した以外に、詳細を明らかにはしていない。
AOLの幹部らが、Beboのネットワークを他のソーシャルネットワーク、とくにFacebookやMySpaceと差別化したいと考えているのは明らかだ。しかし、この主張には無理がありそうだ。Beboはソーシャルネットワークだ。特徴的な機能を有していはいるが、大規模なソーシャルネットワークと競合関係にある(Beboが主張するユーザー数は2200万人だが、Facebookのユーザー数は1億7500万人と報じられている)。ただし、AOLは面白そうなソーシャルデータ企業をいくつか所有している。BeboとSocialthing!に加え、Q&AサービスのYeddaやウィジェット開発のgoowy mediaも買収した。革新的な面白いソーシャルアプリケーションを作り出すのに必要なものはすべて揃っている。同社にとって本当に必要なのは、ユーザーだけだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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