中国政府が、オンラインのアダルトコンテンツに対する規制を強化し、Googleを含む複数の企業に対してポルノの入手しやすさを制限するよう通告した。遠回しだが見え透いた法的な脅しと言えそうだ。
中国の政府機関7部門は、合同で行った現地時間1月6日の発表で、「低俗なコンテンツ」へのアクセスを違法に提供しているとして19のサイトを挙げた。その中には、Googleのウェブ検索と画像検索や、百度のウェブ検索サイトとブログサイト、「Sohu.net」などが含まれている(Googleは不正な行為を否定した)。
国務院新聞弁公室の発表は、「全国的な犯罪撲滅」運動と銘打って、国民に違法な投稿やウェブサイトを報告するよう呼びかけている。中国政府の統制下にある中国日報は、公表された企業は「ポルノを広め、若者の道徳を脅かしていることが判明した」と報じるとともに、取り締まりが実施される可能性があると警告している。
中国のネット検閲についてはこれまで、主に政治関連サイトに注目が集まっていた(ニュースサイトや人権問題サイトは頻繁にアクセスを制限されている)。だが、同国を統治する中国共産党は長年にわたり、ポルノの排除にも関心を寄せてきた。CNET Newsでは1996年の時点ですでに、中国のインターネットユーザーが「ポルノの作成や入手を違法とする一連の規則に署名する」よう求められたと報じている。
最近の例では、中国公安部が2007年に、ポルノやオンラインのストリップショー、さらには官能小説をも捜査対象とすると述べている。2008年に開催された北京五輪中に実施されたネット規制は、同年12月の数週間に一部復活した。
中国の当局者はこれまでに奇妙な発言を何度か行っている。アテネで開催されたインターネット関連の国際サミットでは、中国政府の代表が懐疑的な聴衆に向けて、「私は、中国でBBCを閲覧できないとか遮断されているという話を聞いているが、人々がなぜそんなことを言うのかわからない。われわれは規制を全く行っていない」と述べた(この発言を聞いた法輪功の信者たちは驚いたことだろう)。
仮に規制の対象が単に政治の言論だったなら、米国の議員たちは間違いなく、儀礼化した公聴会を開いて中国政府やGoogleなどの各社を報道陣の前で形式的に非難する気になったはずだ。だが、話題に上がっているのはポルノなので、おそらく中国の検閲政策を称賛する上院決議案が提出される可能性のほうが高いだろう。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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